脳の内部または周囲に発生する腫瘍*

腫瘍の種類

起源

悪性度

原発性脳腫瘍全体に占める割合†

罹患する集団

星細胞腫(神経膠腫の一種)

神経細胞を支える組織の細胞(神経膠細胞)

悪性であるが、その動態は様々

(†注を参照のこと。)

小児、成人

脊索腫

脊髄および脳幹(脳の最も大きな部分と脊髄をつないでいる)の形成を助ける胚の細胞(胚細胞)

悪性かつ浸潤性であるが、進展は緩徐

1%未満

小児、成人

生まれたときから存在していることがある

頭蓋咽頭腫

下垂体の胚細胞

良性であるが、緩やかに浸潤する

1%未満

小児、成人

生まれたときから存在していることがある

類皮嚢胞および類表皮嚢胞

皮膚の胚細胞

良性

1%未満

小児、成人

類皮嚢胞:生まれたときから存在していることがある

上衣腫

脳室の内壁を覆っている組織の細胞

良性または悪性

約2~3%(小児の脳腫瘍の約10%)‡

小児

成人ではまれ

胚細胞腫瘍(胚細胞腫を含む)

松果体付近の胚細胞

良性または悪性

1%

小児

胚細胞腫:生まれたときから存在していることがある

膠芽腫(神経膠腫の一種)

未熟な神経膠細胞(前駆細胞と呼ばれる)

悪性

約15%、年齢とともに増加†

成人

血管芽腫

血管に変化する胚細胞

良性

1~2%

小児、成人

髄芽腫

小脳の胚細胞

悪性

小児の脳腫瘍のほぼ20%†

小児、まれに成人

髄膜腫

脳を覆う組織層(髄膜)の細胞

大半が良性であるが、再発の可能性あり

再発し、ときに悪性

約35%

成人

乏突起膠腫(神経膠腫の一種)

脳内の神経線維を取り巻いて髄鞘を形成している細胞(乏突起膠細胞)

悪性であるが、ゆっくり増殖する(最終的に退形成性乏突起膠腫に変化することが多い)

2~10%†

小児、成人

松果体腫瘍

松果体または付近の組織の細胞

大半が良性であるが、ときに悪性

1%未満

小児

下垂体腺腫

下垂体の細胞

良性

10%

小児、成人

未分化神経外胚葉性腫瘍

脳室の内壁を覆っている未熟な細胞

通常は良性であるが、ときに悪性化する

1%未満

小児および若い成人

神経細胞腫

脳室の内壁を覆っている未熟な細胞

良性

1%未満

小児および若い成人

*特定の脳腫瘍も参照してください。

†別に記載のない限り、この欄には原発性脳腫瘍全体に占める割合を記載します。

‡星細胞腫、上衣腫、多形性膠芽腫、髄芽腫、乏突起膠腫はいずれも神経膠腫で、原発性脳腫瘍全体の65%を占めます。

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