脂質低下薬

種類

作用機序

適応

主な副作用

アデノシン三リン酸クエン酸リアーゼ阻害薬

ベムペド酸

LDLコレステロールを低下させる

動脈硬化性心血管疾患の患者における高LDLコレステロール、または家族性高コレステロール血症の患者のうち少なくとも1つの遺伝子異常(ヘテロ接合)をもつ患者

かぜやインフルエンザに似た症状

痛風発作

背中、腕、脚の痛み

胃の痛み

アンジオポエチン様タンパク質3阻害薬

エビナクマブ

中性脂肪(トリグリセリド)、LDL、およびHDLコレステロールの値を低下させる

家族性高コレステロール血症の患者のうち、2つの異常な遺伝子(ホモ接合)をもつ患者

エネルギーの減少

めまい

インフルエンザに似た症状

上咽頭炎

吐き気

脚や腕の痛み

胆汁酸に結合する薬

コレスチラミン

コレスチポール(colestipol)

コレセベラム(colesevelam)

腸内で胆汁酸と結合し、その酸を胆汁の生産に使用せずに排泄させる。その結果、肝臓が胆汁を生産するために血流から取り込むLDLコレステロールの量が増える

高LDLコレステロール

腹痛

他の薬との結合(効果を低減させる)

腹部膨満

便秘

吐き気

中性脂肪値の上昇(特に中性脂肪値がもともと高い人)

コレステロール吸収阻害薬

エゼチミブ

小腸でのコレステロール吸収を減少させる

高LDLコレステロール

重篤な副作用はほとんどなし

顔面と唇の腫れ(非常にまれ)

軟便

筋肉痛(非常にまれ)

フィブラート系薬剤

ベザフィブラート*

シプロフィブラート(ciprofibrate)*

フェノフィブラート

ゲムフィブロジル

脂質の分解を促してVLDLが血流から除去される速度を速める

肝臓によるVLDL生産を減少させる

高中性脂肪

異常ベータリポタンパク血症

高VLDLコレステロール(可能性)

腹痛

腹部膨満

下痢

胆石

肝酵素値の上昇

炎症による筋肉痛(筋炎)

吐き気

発疹

ミクロソームトリグリセリド転送タンパク質阻害薬

ロミタピド

トリグリセリド分泌を阻害

家族性高コレステロール血症の患者のうち、2つの異常な遺伝子(ホモ接合)をもつ患者

下痢

肝傷害

ナイアシン

ナイアシン

HDLの排出速度を低下させる

中性脂肪値を下げる

高用量では、LDLの合成に使用されるVLDLの生産速度を低下させる

高中性脂肪

高LDLおよびVLDLコレステロール

異常ベータリポタンパク血症

消化不良

紅潮

痛風

血糖値の上昇(高血糖)

肝酵素値の上昇

かゆみ

潰瘍(かいよう)

オメガ3脂肪酸

オメガ3脂肪酸

中性脂肪値を低下させる

VLDL生産を減少させる可能性がある

高中性脂肪

げっぷ

下痢

PCSK9阻害薬

アリロクマブ

LDL値を低下させる

家族性高コレステロール血症およびその他として冠動脈疾患のリスクが高い人

インフルエンザ様の症状

まれに肝酵素上昇

注射部位の皮膚反応

エボロクマブ

LDL値を低下させる

家族性高コレステロール血症およびその他として冠動脈疾患のリスクが高い人

インフルエンザ様の症状

じんま疹

注射部位の皮膚反応

スタチン系薬剤(HMG-CoA還元酵素阻害薬)

アトルバスタチン

フルバスタチン

ロバスタチン(lovastatin)

ピタバスタチン

プラバスタチン

ロスバスタチン

シンバスタチン

コレステロールの合成を阻害し、血流からのLDL除去を促進する

高LDLコレステロール、高中性脂肪、またはその両方

腹部膨満

便秘(軽度)

疲労

頭痛

軟便

まれに肝酵素上昇

まれに炎症(筋肉炎)または変性(横紋筋融解症)による筋肉痛

HDL = 高比重リポタンパク、HMG-CoA = 3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル補酵素A、LDL = 低比重リポタンパク、PCSK9 = 前駆タンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型、VLDL = 超低比重リポタンパク。

*現在、米国では入手できません。

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