肛門のかゆみの原因と特徴

原因

一般的な特徴*

検査

肛門と直腸の病気

炎症性腸疾患クローン病など)

排膿

直腸の痛み(ときにみられる)や腹部(しばしばみられる)の痛み

ときに下痢

内視鏡による、大腸下部、直腸、肛門の検査(S状結腸内視鏡検査)または大腸全体の検査(大腸内視鏡検査)

痔核(内痔核または外痔核)

内痔核の場合、出血(トイレットペーパーや便器にみられる少量の血液)

外痔核の場合、痛みを伴う肛門のしこり

医師の診察

通常は内視鏡による直腸の検査(肛門鏡検査)またはS状結腸内視鏡検査

感染症

細菌感染症(掻いたことが原因)

炎症を起こした赤い領域(ときに目に見えるひっかき傷)

医師の診察

真菌感染症(カンジダ

肛門周囲の発疹

医師の診察

ときに、皮膚擦過物のサンプルの顕微鏡検査(真菌の特定が目的)

蟯虫(ぎょうちゅう)

通常は小児にみられる

ときに家系内の数人にみられる

肛門部に透明なテープを貼り付け、それに蟯虫の卵がないか顕微鏡で観察する

疥癬(かいせん)

激しいかゆみ、通常は夜間にかゆみが強くなる

かゆみが他の場所に現れる可能性がある

かゆみのある所にピンク色のわずかに盛り上がった細い線または隆起(疥癬トンネル)が現れる可能性がある

医師の診察

皮膚擦過物の検査

皮膚の病気

アトピー性皮膚炎

かゆみを伴う赤色のじくじくした痂皮状の発疹

医師の診察

肛門周囲の皮膚のがん

鱗屑(りんせつ)や痂皮(かひ)

組織サンプルの検査(生検)

乾癬

ときに皮膚のかゆみや痛みを伴う斑点

医師の診察

スキンタッグ

肛門にできた小さな弁状の組織

医師の診察

薬剤

抗菌薬

過去または現在の抗菌薬の使用歴

抗菌薬を中断して症状が軽減するかどうか確認する

食品および栄養補助食品

ビール、カフェイン、チョコレート、トウガラシ、乳製品、ナッツ類、トマト製品、柑橘類、香辛料、ビタミンC錠剤

ある物質を摂取した後に症状が現れる

その物質を食事から除去して、症状が軽減するかどうか確認する

衛生関連の問題

大量発汗

患者が説明する大量発汗(特にきつい衣服や合成繊維の衣服を着ている場合)

発汗を制限する方法(ゆったりとした綿の下着の着用、頻繁な下着交換など)を行って症状が軽減するかどうか確認する

肛門部の過度に念入りなまたは積極的な洗浄

洗浄不足

患者が報告する極端な洗浄習慣

洗浄習慣を変えてみて症状が軽減するかどうか確認する

皮膚を刺激する物質

麻酔薬、軟膏、石けん、衛生ウェットティッシュ

患者が報告する、刺激物となる可能性のある物質の使用

その物質を避けて症状が軽減するかどうか確認する

*特徴としては症状や診察結果を示しています。示されている特徴は典型的なものですが、常に認められるわけではありません。

関連するトピック