入院中、誤ったケアが行われることがあります。病院では、複雑なケアが行われ、ストレスの多い環境で、様々な人やシステムが協調しなければなりません。また、医療専門職は、疲労や睡眠不足を引き起こす条件下での勤務を求められることもあります。そのため入院治療は、こうあるべきとされているほど安全ではないのが現状です。米国では毎年、予防可能な医療ミスによって250,000人もの人が死亡していると強く主張する専門家もいます(ただし、すべての専門家が同意しているわけではありません)。医療ミスは米国における死亡の重要な原因です。
ミスには以下のものがあります。
患者に間違った薬剤、間違った用量、またはアレルギーを起こす薬剤を投与する。
間違った患者に検査を行ったり薬剤を投与したりする。
体の間違った部分や側を手術する。
重要な検査結果を見過ごす。
過去10年間で、米国の病院は、ケアのミスを特定し予防するシステムを設計する点で相当な進歩をしてきました。
それでも、ミスを予防する最善の方法の1つは、患者が質問し自分の治療について学ぶことによって、患者自身が治療に参加することです。患者は次のような対策を講じることができます。
家で服用する薬剤の正確なリストを提供する。
薬物アレルギーのリストを提供する。
入院中になぜ特定の薬剤を投与するのか、なぜ検査を行うのか理解する。
処方された薬剤や投与を受けている薬剤の名前を覚えるとともに、毎日の投与量や投与回数を知る。
看護師から薬剤の投与を受けるたびに、その薬剤の名前と投与する理由を教えてもらう。
行われた検査の結果について尋ねる。
診察を行う前に手を洗うよう医療専門職に頼む。
自分を名前で呼んでくれるよう病院スタッフに頼む。
退院の際、服用することになっている薬剤や、フォローアップに関する指示が書かれたリストをもらう。
外科手術で何が行われるのかについて、自分も主治医も外科医もみな同意し、はっきり理解していることを確認する。
何かが間違っている気がする場合、質問する。
家族か友人に、ともにいて自分の代わりに質問してもらうよう頼む。
患者のケアでミスが起きた場合、患者はそのことについて知る権利があります。ミスがあった場合、患者は医師か看護師に以下のことを求めるべきです。
ミスの性質や、それが自分の健康に及ぼす影響について説明する。
ミスがどのように起こったのか調査する。
同様のミスを防ぐためのシステムを設計できるように、病院の管理者にミスを報告する。
さらに心配なことがあれば、病院の代表者(病院の患者支援者)に会う。