多胎出産

執筆者:Julie S. Moldenhauer, MD, Children's Hospital of Philadelphia
レビュー/改訂 2021年 7月
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多胎出産とは、子宮に複数の胎児がいる状態での出産を意味します。

20年ほど前から双子、三つ子などの多胎出産が増えています。多胎出産は、30件の出産につき1件にも上ります。

以下のような場合に多胎妊娠になりやすくなります。

  • 排卵誘発薬を使用している

  • 生殖補助医療(体外受精など)を受けている

  • これまでに多胎妊娠の経験がある

  • 高齢である

  • 西アフリカ系である

多胎出産のリスク

多胎妊娠により問題が生じるリスクが上昇します。

多胎妊娠では子宮が過度に拡張し、過度に拡張した子宮は、妊娠が満期になる前に収縮を始める傾向にあります(切迫早産)。このため多胎出産では多くの場合、早産になったり小さな新生児が生まれてきたりします。早産児では死産や死亡のリスクが高くなります。また、過度に拡張した子宮が分娩後、十分に収縮せずに母体に出血が起こることがあります(分娩後出血)。

多胎妊娠では胎児毎に胎向と胎位が異なるため、経腟分娩が難しくなりがちです。また第1子が生まれた時点で子宮が収縮し、残っている胎児の胎盤が剥がれてしまうこともあります。その結果、後から生まれる胎児の分娩中に多くの問題が生じる可能性があります。

多胎妊娠により、母体に問題が生じるリスクも上昇します。例えば以下のものです。

多胎出産の診断

  • 超音波検査

妊娠期間の割に子宮が大きすぎる場合に、多胎が疑われます。超音波検査で胎児の人数を確認します。

多胎出産の治療

  • 適切な場合は帝王切開

多胎出産では問題が生じやすいため、双子の分娩に際して医師が経腟分娩にするか帝王切開にするかをあらかじめ決めておくことがあります。

双子の第1子の姿勢が正常(頭が下になっていて母体の背中を向いた状態)であれば、第1子は通常経腟分娩となります。双子の第2子では、姿勢の異常や胎児ジストレスがみられなければ、通常は経腟分娩が可能です。双子の第1子の姿勢が異常である場合や、第2子の姿勢が異常であるか胎児ジストレスがみられる場合は帝王切開が行われます。三つ子以上の多胎では、たいてい帝王切開が行われます。

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