原因不明の不妊症

執筆者:Robert W. Rebar, MD, Western Michigan University Homer Stryker M.D. School of Medicine
レビュー/改訂 2022年 10月
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原因不明の不妊症は、男性の精子が正常である場合、女性の卵子、排卵、卵管、および子宮が正常である場合、ならびにほかに不妊症の原因が同定されない場合に診断されます。

不妊症の概要も参照のこと。)

原因不明の不妊症の治療

  • 卵巣刺激法

  • ときに生殖補助医療

不妊症の原因が不明の場合、卵巣刺激法と呼ばれる方法が用いられることがあります。

卵巣刺激法は妊娠の可能性を高め、早く妊娠する助けになります。この治療により双子以上の多胎となる可能性があります。

卵巣刺激法の方法は以下のものです:

  • 複数の卵子の成熟と放出を促す排卵誘発薬(クロミフェン)と、排卵を促すヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)を最長3回の月経周期の間女性に投与します。

  • hCGによる治療から2日以内に、粘液を避けて子宮内に精液を直接注入します(子宮内精子注入)。

この治療で妊娠しなかった場合、以下のいずれかを行うことがあります。

原因不明の不妊症の予後(経過の見通し)

クロミフェンとhCGによる治療が不成功であった後に、ゴナドトロピンとhCGによる刺激を行った場合と直後に体外受精を行った場合では、妊娠率は同様(約65%)です。しかし、クロミフェンによる治療が不成功であった直後に体外受精を実施する方が早く妊娠し、三つ子以上の多胎妊娠になる可能性が低くなります。そのためクロミフェンと子宮内精子注入が成功しなければ、多くの場合、次のステップは体外受精です。

38歳以上で不妊症の原因が不明である女性は、卵巣刺激法を試す前に体外受精を行う方が早く妊娠することを示唆する科学的根拠があります。

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