真菌は通常、足の指の間、性器の周辺、乳房の下など、体の皮膚同士が触れ合っていて、湿度が高くなる部分(湿潤部位)に住み着きます。一般的な真菌による皮膚感染症(皮膚真菌感染症)は、酵母(カンジダ属や癜風菌など)または皮膚糸状菌(エピデルモフィトン属[Epidermophyton]、ミクロスポルム属[Microsporum]、白癬菌属[Trichophyton]など)によって引き起こされます。このような真菌の多くは、表皮の最も外側の層(角層)だけに生息し、それより深部には侵入しません。肥満の人は、皮膚がこすれ合う部分が多いため、これらの感染症にかかりやすい傾向があり、皮膚のひだの中の皮膚が刺激されて破れた場合(間擦疹)は特に可能性が高くなります。糖尿病の人も真菌感染症にかかりやすい傾向があります。
不思議なことに、体のある部分に起きた真菌感染症が、感染していないほかの部分に発疹を生じさせることがあります。例えば、足の真菌感染症が原因で、手の指にかゆみを伴うデコボコした発疹ができることがあります。そのような発疹(白癬疹、イド反応[id反応])は、真菌に対するアレルギー反応です。感染部位に触れた結果として生じるものではありません。
皮膚真菌感染症の診断
皮膚真菌感染症の治療
抗真菌薬
湿気を防ぐ対策
真菌感染症は一般に抗真菌薬、通常は患部に直接塗る(外用薬と呼ばれます)抗真菌薬により治療します。外用薬の種類としては、クリーム剤、ゲル剤、ローション剤、溶液、シャンプーなどがあります。抗真菌薬は経口投与されることもあります。
薬剤に加えて、パウダーをはたいたり、つま先の開いた靴を履いたりするなど、患部を乾燥した状態に保つ対策も用いることができます。
コルチコステロイドは、一部の感染症による炎症やかゆみを和らげるのに役立ちますが、医師が処方した場合にのみ使用するべきです。