感染症の予防

執筆者:Larry M. Bush, MD, FACP, Charles E. Schmidt College of Medicine, Florida Atlantic University
レビュー/改訂 2022年 8月 | 修正済み 2022年 12月
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感染症の予防に役立つ手段はいくつかあります。

手洗いは、感染症が人から人に伝染することを予防する有効な手段の1つです。食品を扱う人や他の人(特に病人)と体が触れる機会が多い人には、手洗いは特に重要です。

手指消毒剤は、少なくとも60%のアルコールを含む液体やフォームで、ほとんどの感染性微生物を死滅させます。多くの感染性微生物は手に付着する可能性があるため、手指消毒剤を使用することで感染拡大の可能性が大幅に低下します。

マスクを着用することは、呼吸器感染症の拡大を抑えるのに役立つ可能性があります。多くの呼吸器感染症は、感染者がせき、くしゃみ、呼吸、または会話をする際に生じる空気中の飛沫(飛沫の大きさは細菌またはウイルスの種類によって異なります)によって広がります。感染者は他の人に感染が広がるのを防ぐためにマスクを着用すべきです。感染する可能性を減らすためにマスクを着用する場合もあります。マスクは種類によって予防効果のレベルが異なり、低い方から、多層布マスク、多層サージカルマスクとK95マスク、N95マスクなどがあります(米国疾病予防管理センター[CDC]:マスクと人工呼吸器の種類[Types of Masks and Respirators]を参照)。

重病で入院している患者を見舞う場合は、手を洗い、手指消毒剤を使用する必要があり、ガウン、マスク、手袋をしてから病室に入るよう求められる可能性が高くなります。

ときに、感染症にまだかかっていない人に対して、感染を予防する目的で抗菌薬を投与することがあります。これは予防的抗菌薬投与と呼ばれます。また、ほかに健康上の問題がない人でも、ある種の手術(特に腹部の手術や臓器移植)を受ける際には、抗菌薬の予防投与が必要になります。

予防接種は非常に有効な感染予防策です。感染症にかかるリスクの高い人(特に乳児、小児、高齢者、エイズ患者)は、リスクを低下させるために必要な予防接種をすべて受けるべきです。

感染症の概要も参照のこと。)

さらなる情報

以下の英語の資料が役に立つかもしれません。こちらの情報源の内容について、MSDマニュアルでは責任を負いませんのでご了承ください。

  1. 米国疾病予防管理センター(CDC):マスクと人工呼吸器の種類(Types of Masks and Respirators

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