肝臓への加齢の影響

執筆者:Christina C. Lindenmeyer, MD, Cleveland Clinic
レビュー/改訂 2022年 4月
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    年齢を重ねると、肝臓にはいくつかの構造的な変化や、顕微鏡レベルの変化が起こります。(肝臓と胆嚢[たんのう]の通常の機能に関する説明については肝臓と胆嚢の概要も参照のこと。)例えば、肝臓の色は明るい茶色から暗い茶色に変化します。サイズは次第に小さくなり、血流量も減少していきます。しかし、肝臓の検査の結果は、全般的に正常のまま保たれます。

    肝臓が様々な物質を代謝する働きは、年齢を重ねるにつれて衰えていきます。そのためある種の薬は、高齢者の体内では、若い人ほど速やかに不活化されない場合があります。その結果、若い人では副作用を起こさないはずの用量でも、高齢者では用量依存性の副作用が起こることがあります(加齢と薬を参照)。したがって、高齢者ではしばしば薬物の使用量を減量する必要があります。

    また、各種のストレスに対する肝臓の抵抗力も弱まります。そのため、若い人に比べて肝臓に有害な物質の影響を受けやすくなります。傷ついた肝細胞を修復するスピードも高齢者では遅くなります。

    胆汁の生成量や流量は加齢とともに減少します。その結果、胆石ができやすくなります。

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