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予防医療の概要

執筆者:Magda Lenartowicz, MD, Altais Health Solutions
レビュー/改訂 2023年 5月
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本ページのリソース

従来の医療では、すでに生じている症状や合併症の原因になっている健康上の問題を特定して治療することにより、健康状態を改善することに焦点が置かれてきました。対照的に予防医療では、健康上の問題が発生するのを未然に防ぐことに焦点が置かれます。また予防医療では、症状や合併症が発生する前の、回復の可能性が最も高い段階で病気を診断することにも焦点が置かれます。うまくいけば、予防は全体的な健康状態の改善と医療費の削減につながります。

予防の一般的な目標は、病気になったり、障害をもつことになったり、若くして死亡したりする可能性を減らすことです。予防医療は衣服の「フリーサイズ」のようなものではなく、人それぞれに個別の目標が立てられます。具体的な目標は個人のリスクプロファイル、すなわち、その人の年齢、性別、遺伝的背景、生活習慣、物理的・社会的環境などの要因に基づく病気の発症リスクに大きく左右されます。リスクを上昇させる要因は危険因子と呼ばれます。

年齢や性別、家族歴など、個人のコントロールの範囲を超える危険因子もあります。一方、個人の生活習慣や物理的・社会的環境など、病気にかかるリスクを減らすために変えることのできる危険因子もあります。加えて、よい医療を受けることでリスクを減らすことができます。

乳児年長児青年が受ける医療の大半(特に小児健診)は、危険因子を認識して問題の発生を予防することを目的とするものです。例えば検査は、現れつつある病気の徴候を早期発見することに重点を置いています。定期的な健診では、小児の予防接種記録の確認や推奨されるワクチンの接種なども行われます。医療専門職は、小児や青年の事故やけがの予防についても親に助言します。

さらなる情報

以下の英語の資料が役に立つかもしれません。こちらの情報源の内容について、MSDマニュアルでは責任を負いませんのでご了承ください。

  1. 米国予防サービス作業部会(USPSTF)の勧告(U.S. Preventive Services Task Force (USPSTF) Published Recommendations):米国予防サービス作業部会が様々なスクリーニング検査と特定の病態に対する予防戦略の有効性に関する推奨を公表しています。それらの勧告は科学的根拠のシステマティックレビューに基づいています。

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