フェニルケトン尿症(PKU)とは何ですか?
フェニルケトン尿症は遺伝性代謝疾患の1つです。フェニルケトン尿症の小児は、フェニルアラニンを分解するのに必要な酵素を生まれつきもっていません。フェニルアラニンはアミノ酸(タンパク質をつくるための材料)の1つで、多くの食べものや飲みものに含まれています。ふつうは、余分なフェニルアラニンは体で分解されて取り除かれます。フェニルケトン尿症では、フェニルアラニンを分解して取り除くために必要な酵素をつくることができません。
フェニルケトン尿症を治療しないと、フェニルアラニンが血液中にたまって、脳の問題を引き起こします(知的障害)。
フェニルケトン尿症では、一生のあいだ、フェニルアラニンをほとんど含まない特別な食事を続ける必要があります。
フェニルケトン尿症の原因は何ですか?
フェニルケトン尿症の原因は、フェニルアラニンを分解する酵素をつくるための2つの遺伝子に異常があることです。2つの遺伝子の両方に異常があると、フェニルアラニンを分解する酵素をつくることができません。
フェニルケトン尿症は、両親のそれぞれから異常な遺伝子がその子どもへ受けつがれることで起こります。
もし片方の親の遺伝子だけに異常があり、もう片方の親の遺伝子には異常がなければ、その子どもはフェニルケトン尿症にはなりません。
両親ともにその遺伝子に異常がある場合は、その子どもがフェニルケトン尿症になる確率は4分の1です。
フェニルケトン尿症にはどのような症状がありますか?
医師はどのようにして、私の子どもがフェニルケトン尿症かどうかを判断できますか?
ふつうに行う新生児スクリーニング検査の一部として、医師は赤ちゃんにフェニルケトン尿症がないかを検査します。この検査では、赤ちゃんのかかとからほんの少しの血液を採取して、それを調べます。
フェニルケトン尿症の人が家族の中にいれば、医師は赤ちゃんが生まれる前に検査(羊水穿刺などの出生前検査)を行って、赤ちゃんがフェニルケトン尿症かどうかを調べることがあります。
あなたが血液検査を受けて、フェニルケトン尿症の原因となる遺伝子をもっているかどうかを調べることもできます。
医師はフェニルケトン尿症をどのように治療しますか?
赤ちゃんの生後数週間のうちから、フェニルアラニンをほとんど含まないものを与える必要があります。医師はフェニルケトン尿症を次の方法で治療します:
フェニルアラニンを制限するきびしい食事
場合によって、フェニルアラニンに赤ちゃんがたえられる量をふやす薬
フェニルケトン尿症の人は、ミルクや肉、そしてタンパク質を含むほかの食べものを食べることができません。果物、野菜、穀物はいくらか食べることができます。また、フェニルアラニンを含まない人工乳や栄養補助食品などの特別な食品も食べることができます。あなたのお子さんが何を食べてよいかは、医師が教えてくれます。