知的障害とはどのような病気ですか?
知的障害は知能が正常な状態よりも低くなる脳の異常です。これは、子宮の中で赤ちゃんの脳が発達していくときに起こります。この障害は軽いことも重いこともありますが、知的障害がある人には、ふつうは日常生活を送ったり自分の身の回りのことをするためにいくらか助けが必要になります。
知的障害の子どもには、顔つきの異常など、体にちがいが現れることがあります。
ほとんどの場合、学校に入る前に症状が現れ始め、ふつうは言葉を言ったり文で話したりするのが遅れます。
治療法としては、さまざまな種類のセラピーや特別な教育などがあります。
赤ちゃんが知的障害になる可能性を低くするためには:
妊娠する前と妊娠初期に葉酸を飲んでください。
妊娠している間はお酒を飲まないようにしてください。
妊娠している間、良い医療を受けるようにしてください。
必要なワクチン接種(特に風疹)をすべて受けてください。
知的障害の原因は何ですか?
知的障害にはたくさんの原因があります。ほとんどの場合は、生まれてくる前に赤ちゃんの脳の発達に異常を起こす何かが起こります。これには次のようなものがあります:
知的障害は、赤ちゃんが生まれてくるときの次のような問題が原因で起きることもあります:
生まれてくるときの酸素不足
生まれてくるのが予定日よりもあまりにも早すぎた
知的障害は生まれた後に起きることもあります。次のような原因があります:
頭のけが
脳の感染症
情緒的虐待やネグレクト
脳腫瘍
知的障害にはどのような症状がありますか?
子どもが生まれたときや生まれてきたすぐ後に、次のようなちがいがみられることがあります:
顔つきに異常があったり、頭が異常に大きかったり小さかったりする
手や足の形の異常
子どもに次のような健康上の問題の徴候が現れることがあります:
けいれん発作、元気がない、疲れている、嘔吐
異常なにおいの尿
正常に食べたり成長したりしない
ねがえったり、座ったり、立ったりできるようになるのが遅い
子どもが学校に行き始めて、同じ年齢のほかの子どもと比べて見るまで、症状に気づかないかもしれません。子どもには次のようなことが起きるかもしれません:
言葉を使い始めたり完全な文で話したりするのが遅いなどの言葉の問題
友だちを作ることやほか社会的な能力の問題
服を着るなどの身の回りのことがうまくできない
場合によっては、かんしゃくや攻撃性などの行動の問題(特にいらだっている場合)
年長の子どもでは、だまされやすくほかの子どもにつけこまれる
場合によっては、不安やうつ病などの精神障害(特に子どもがいじめられている場合や、自分がほかの人とちがうことに気づいている場合)
医師はどのようにして、私の子どもが知的障害かどうかを判断しますか?
医師は知的障害をどのように治療しますか?
治療法は、子どもが必要としていることと、子どもの強みによって決まります。次のような医療の専門家や学校の専門家のチームが子どもと一緒になって取り組むこともあります:
かかりつけ医(小児科医など)
カウンセリングのためのソーシャルワーカーと心理士
子どもが日常生活の活動をできるようにするのを助ける言語療法士、作業療法士、理学療法士
脳と神経の病気の専門医
健康的な食生活を助ける栄養士
特別な教育のための先生
アメリカでは、米国個別障害者教育法(Individuals with Disabilities Education Act:IDEA)が、公立学校に対して、知的障害の子どもに検査をすることを義務づけています。また、学校に対して、知的障害の子どもに適切な教育を無料で提供することも義務づけています。