水痘すいとう

水痘すいとうは、大人おとなよりも子こどもによくみられるウイルス感染症かんせんしょうです。

• 水痘すいとうでは、熱ねつが出でて、かゆみがあって盛もり上あがった小ちいさい水みずぶくれやかさぶたができます。

• 水痘すいとうは簡単かんたんに人ひとから人ひとにうつります。

• 水痘すいとうはふつう、健康けんこうな子こどもの場合ばあい、深刻しんこくではありません―ほとんどいつも問題もんだいなく回復かいふくします。

• 免疫めんえきの働はたらきが弱よわい人ひとの場合ばあい、水痘すいとうが重おもくなって命いのちにかかわる可能性かのうせいがあります。

• 回復かいふくしても、水痘すいとうウイルスは体からだの中なかに残のこります。

• 水痘すいとうから回復かいふくして何年なんねんかたってから、液体えきたいで満みたされた、痛いたみのある水みずぶくれを引ひき起おこす帯状疱疹たいじょうほうしんという病気びょうきを、同おなじウイルスが引ひき起おこすことがあります。

• 水痘すいとうワクチンで水痘すいとうは予防よぼうできます。

水痘（水ぼうそう）

3D Model

水痘すいとうは、水痘すいとう帯状疱疹たいじょうほうしんウイルスによって引ひき起おこされます。

このウイルスは次つぎのように広ひろがります：

• 空気くうきを介かいして（感染かんせんした人ひとがせきをしたりくしゃみをしたりしたときに、空気中くうきちゅうに放出ほうしゅつされた飛沫ひまつから広ひろがる）

• 水痘すいとうの水みずぶくれにさわる

水痘すいとうが治なおった後あとも、ウイルスは体内たいないに残のこります。脊椎せきついの近ちかくにある神経根しんけいこんにとどまっています。ときに、このウイルスがまた活発かっぱつになって、ウイルスが感染かんせんしている神経根しんけいこんにつながっている皮膚ひふに戻もどってそこに発疹ほっしん（帯状疱疹たいじょうほうしん）を引ひき起おこします。

最初さいしょに次つぎの症状しょうじょうがみられます：

• 発熱はつねつ

• 頭痛ずつう

• 疲つかれたり具合ぐあいが悪わるい感かんじがして、お腹なかが空すかない

症状しょうじょうが始はじまってから約やく1～2日後かごに、発疹ほっしんが現あらわれます。次つぎのことが起おこります：

• まず、小ちいさくて平たいらな赤あかい斑はん点状てんじょうの発疹ほっしんが現あらわれます。

• 6～8時間じかん以内いないに、それぞれの発疹ほっしんが盛もり上あがり、液体えきたいで満みたされた、かゆくて丸まるい水みずぶくれになります。

• ふつうこの発疹ほっしんは、顔かおや胸むねから始はじまり、それから腕うでや脚あしに広ひろがります。

• 発疹ほっしんは数すうカ所しょだけに出でることもあれば、口くち、腟ちつ、直腸ちょくちょうの中なかなど全身ぜんしんにできることもあります。

• ふつう、約やく5日後かごに水みずぶくれができなくなります。

• ほとんどの水みずぶくれは約やく6日か以内いないにかさぶたになり、ふつうは20日か以内いないに消きえます。

水痘すいとうは、かかり始はじめが一番いちばん感染力かんせんりょくが強つよい（病気びょうきが他ほかの人ひとにうつりやすい）ですが、水みずぶくれが全部ぜんぶかさぶたになるまでは、ほかの人ひとにうつり続つづける可能性かのうせいがあります。

ときに、水痘すいとうから脳のうや肺はい、心臓しんぞうの感染症かんせんしょうにかかることがあります。妊娠にんしんしている女おんなの人ひとと免疫系めんえきけいの弱よわい人ひとは、水痘すいとうから重おもい病気びょうきになる危険きけんがあります。

医師いしは、あなたの症状しょうじょうや発疹ほっしんから水痘すいとうにかかっていると判断はんだんします。

水痘すいとうはふつう、治療ちりょうをしなくても回復かいふくします。少すこしでも楽らくに感かんじるために、次つぎのことを行おこないます：

• 発疹ほっしんに冷つめたい湿しめった手てぬぐいを当あてて、かゆみを抑おさえます。

• 水みずぶくれに細菌さいきんが感染かんせんしないように、石せっけんと水みずでよく洗あらうようにします。

• 水みずぶくれをひっかくと傷きずになって、水みずぶくれが破やぶれてそこから細菌さいきんが入はいり込こむため、ひっかかないように手ての爪つめを切きります。

• 抗こうヒスタミン薬やくを使つかってかゆみを抑おさえます。

水みずぶくれが細菌さいきんに感染かんせんした場合ばあいは、抗菌薬こうきんやくが必要ひつようになることがあります。

医師いしは、重おもい水痘すいとうにかかる危険きけんのある子こどもや大人おとなに抗こうウイルス薬やくを出だすことがあります。このような薬くすりは、水痘すいとうの症状しょうじょうを軽かるくして、早はやく治なおすのに役立やくだちます。抗こうウイルス薬やくが効きくのは、症状しょうじょうが現あらわれてから24時間じかん以内いないに使つかった場合ばあいだけです。

次つぎのようにすれば、水痘すいとうをほかの人ひとに広ひろげないようにできます：

• 水痘すいとうワクチンを接種せっしゅする

• 水痘すいとうにかかっている人ひとに近ちかづかない（一度いちども水痘すいとうにかかったことがない場合ばあい）

• 水みずぶくれが全部ぜんぶかさぶたになるまで、子こどもを学校がっこうに行いかせない

• 大人おとなの場合ばあいは、水みずぶくれが全部ぜんぶかさぶたになるまで、仕事しごとに行いかず家いえにいる

ワクチンは健康けんこうな子こどもや大人おとなが特定とくていの感染症かんせんしょうから身みを守まもるために必要ひつような注射ちゅうしゃです。米国べいこくでは、生後せいご12カ月げつ～15カ月げつで最初さいしょの水痘すいとうワクチンを、4～6才さいで2回目かいめの水痘すいとうワクチンを接種せっしゅします。水痘すいとうワクチンを接種せっしゅした人ひとのほとんどは、決けっして水痘すいとうにかかりません。ワクチンを接種せっしゅした人ひとが水痘すいとうにかかったとしても、ふつうはとても軽かるいです。