しびれ

しびれとは、体からだの一部分いちぶぶんで感覚かんかくがなくなることです。ふだんより感覚かんかくが弱よわくなる場合ばあいもあれば、まったく感かんじなくなる場合ばあいもあります。しびれは、脳のうや脊髄せきずいに起おきた異常いじょうの徴候ちょうこうである可能性かのうせいがあります。しびれがあると、次つぎのことができなくなる場合ばあいがあります：

• 軽かるくさわられたのを感かんじること

• 痛いたみを感かんじること

• 熱あつさと冷つめたさを区別くべつすること

• 振動しんどうを感かんじること

• 体からだのどこがしびれているかを判断はんだんすること

しびれと同時どうじに、次つぎのような症状しょうじょうがみられることもあります：

• ピリピリする感かんじや、針はりで刺さされたような感覚かんかく

• 力ちからが入はいらない

• 麻痺まひ（体からだの一部いちぶを動うごかせないこと）

しびれがあると、体からだのバランスや協調運動きょうちょううんどうに問題もんだいが起おきることがあります。歩あるいたり運転うんてんしたりする能力のうりょくに影響えいきょうがある場合ばあいもあります。

しびれのほかにも、次つぎの注意ちゅういすべき徴候ちょうこうが1つでもある場合ばあいは、すぐに病院びょういんに行いってください：

• 突然とつぜん（数分すうふんまたは数時間すうじかん以内いないに）しびれが起おきた

• 急きゅうに（数時間すうじかんまたは数日すうじつ以内いないに）体からだの一部いちぶに力ちからが入はいらなくなる症状しょうじょうも起おきた

• しびれている部分ぶぶんや力ちからが入はいらない部分ぶぶんがすぐに体からだの上下じょうげに広ひろがり、ほかの部分ぶぶんも次々つぎつぎとそうなっている

• 脚あしや腕うでの全体ぜんたいがしびれている

• 顔かおと体幹たいかんがしびれている

• しびれや力ちからが入はいらない症状しょうじょうがあって、動うごいたり、話はなしたり、何なにかを見みたりすることが難むずかしい

• 太ふとももやおしり、性器せいきの周まわりがしびれていて、失禁しっきん（排尿はいにょうや排便はいべんをがまんできないこと）がある

• 胸むねの中央ちゅうおうより下したなど、特定とくていの場所ばしょより下したの方ほうで、体からだの両側りょうがわにしびれがある

しびれがあり、以上いじょうのような注意ちゅういすべき徴候ちょうこうがない場合ばあいは、医師いしに電話でんわで相談そうだんしてください。医師いしは、あなたの症状しょうじょうから、あなたが病院びょういんに行いくのをどれくらい急いそぐべきかを判断はんだんできます。

手てで何なにかにさわると、手ての神経しんけいから脳のうにメッセージが送おくられます。このメッセージによって、あなたは自分じぶんがさわったものを感かんじることができます。同おなじような多おおくの神経しんけいによって、体からだのあらゆる部分ぶぶんが脳のうとつながれています。しびれは、こうしたメッセージが伝つたわる神経しんけいの道みちすじに何なにか問題もんだいがあることで起おこります。次つぎのように多おおくの病気びょうきや薬くすりが、この道みちすじをじゃましたり、道みちすじに圧力あつりょくをかけたりすることがあります：

• 脳卒中のうそっちゅう

• ライム病びょうやHIVなどの感染症かんせんしょう

• 多発性硬化症たはつせいこうかしょう

• 糖尿病とうにょうびょう

• 体内たいないでのビタミンB₁₂の不足ふそく

• 脊髄せきずいから出でる神経しんけいを圧迫あっぱくする変形性関節症へんけいせいかんせつしょう

• 同おなじ動うごきをくり返かえしたり、同おなじ姿勢しせいで長時間ちょうじかん座すわったままでいたりすることで起おきる神経しんけいへの圧迫あっぱく

• 脳のう、脊髄せきずい、または神経しんけいのけが

不安ふあんを感かんじて呼吸こきゅうが速はやくなりすぎると（過換気かかんき）、手てや口くちの周まわりがしびれたり、ピリピリしたりする人ひともいます。これは危険きけんではありません。

医師いしが、しびれについて質問しつもんし、診察しんさつをします。

医師いしは何なにが原因げんいんかを考かんがえて、次つぎのような検査けんさをすることがあります：

• 神経伝導検査しんけいでんどうけんさ（体からだの一部いちぶに小ちいさな電気でんきショックを与あたえる神経しんけい検査けんさで、これで神経しんけいが電気でんきをよく伝つたえているかが分わかります。）

• 筋電図検査きんでんずけんさ（細ほそい針はりを使つかって筋肉きんにくの電気的でんきてきな活動かつどうを記録きろくする筋肉きんにくの検査けんさ）

• MRI検査けんさ

• CT検査けんさ

• 血液検査けつえきけんさ

医師いしは、しびれの原因げんいんになっている問題もんだいを治療ちりょうします。

医師いしは、症状しょうじょうを軽かるくし、そのほかの異常いじょうを予防よぼうする方法ほうほうを提案ていあんすることがあります：

• 足あしがしびれている場合ばあいは、足あしにぴったり合あうくつやくつ下したをはいて、はく前まえにくつの中なかに小石こいしなど、何なにかものが入はいってないか調しらべる

• しびれている部分ぶぶんに痛いたいところや赤あかくなっているところ、腫はれているところがないか調しらべる

• 手てがしびれている場合ばあいは、熱あついものやとがったものにさわるときに注意ちゅういする

• 歩あるくことに問題もんだいがある場合ばあいは、理学療法りがくりょうほうを受うけたり、つえや歩行器ほこうきを使つかったりすると、安全あんぜんに歩あるき、転ころばないようにするのに役やくに立たちます。

運転うんてんをしても安全あんぜんかどうかは、医師いしに相談そうだんしてください。