手首、肘、肩、股関節、膝、足首など、体内で2つの骨が合わさる場所を関節といいます。
関節は、あなたが思いもよらない場所にもあります。たとえば、あなたの足、手、骨盤、脊椎にはたくさんの骨がありますが、その骨の間にも関節があります。
1つの関節の痛みの原因は何ですか?
1つの関節だけの痛みと、多くの関節の痛みとでは、ふつうは原因が異なります。
どの年齢でも、1つの関節が痛くなる最も多い原因は次のものです:
けが
もしあなたがけがをしていなければ、あなたが何才かによって、最も多い原因が異なります。
大人の若い人の場合、一番多い原因は次のものです:
関節の感染症は、全身に広がった淋菌感染症が原因でよくおこります。関節の近くの皮膚の感染症やふきでもの(のう瘍)の中などにある微生物も、関節の感染症の原因になることがあります。
高齢の人の場合、よくみられる原因は次のものです:
1つの関節が痛くなる原因として、あまりみられないものは次のものです:
骨壊死とは、骨が死んでしまってつぶれた状態のことです。ひどいけが(股関節の骨折など)や、一部の薬(コルチコステロイドなど)の副作用によって骨が死んでしまうことがあります。
私はどんなときに病院に行けばいいですか?
1つの関節の痛みのほかにも、次の注意すべき徴候が1つでもある場合は、すぐに病院に行ってください:
突然痛くなったか、痛みがひどいとき
関節が赤くなったり、熱っぽい感じがしたり、腫れたり、こわばったりしているとき
熱がでたとき
関節の近くの皮膚がやぶれていたり、赤くなったり、熱っぽかったり、押すと痛かったりするとき
出血性疾患(出血が起きやすくなる病気)にかかっているか、血液をサラサラにする薬を使っているか、鎌状赤血球症にかかっているとき
関節の痛みのほかにも、突然病気になった感じがするとき
性感染症にかかった可能性があるとき
関節の痛みはひどくないけれども、自然に止まらない場合は、数日後に医師に電話してください。
病院では、どのようなことをしますか?
医師はあなたの症状と病歴について質問し、診察を行います。
医師は次のような検査を行うことがあります:
関節液の検査(医師が針であなたの関節から液体を取り出して、感染や痛風の徴候がないかその液体を検査します)
画像検査(ふつうはX線検査ですが、MRIやCT検査を行うこともあります)
まれに血液検査
医師は関節の痛みをどのように治療しますか?
医師はあなたの痛みの原因を治療します。たとえば、骨折がある場合、医師はあなたの関節にギプスをはめることがあります。関節の感染症がある場合は、医師は抗菌薬をあなたに与えるほか、関節からうみを出すための手術を行うことがよくあります。
医師は次のものであなたの関節の痛みを治療することもあります:
非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)またはアセトアミノフェン
副子や、つり包帯
痛みのある部分を温める、または冷やす(温めるのと冷やすのをあなたに行ってもらうこともあります)
関節の痛みがよくなった後、医師は理学療法を処方することがあります。理学療法では関節のこわばりの予防と治療をして、関節の周りの筋肉を強くします。