動脈瘤とはどのような病気ですか?
動脈瘤とは、動脈にできた、ふくらみのことです。動脈の壁の弱い部分から起こります。動脈は、心臓から体のいろいろな部位に血液を送る血管です。静脈は、心臓に血液を送りもどす血管です。静脈には動脈瘤はできません。
動脈瘤はどの動脈にもできる可能性があります。
生まれつき動脈瘤がある場合もありますが、たいていは年を取ってから、動脈が硬くなったこと(動脈硬化)が原因で起こります。
動脈瘤はときどき、突然やぶれたり、血のかたまり(血栓)を作って動脈をつまらせたりすることがあります。
医師は手術で動脈瘤を閉じたり、取り除いたりします。
場合によっては、手術をせずに、小さな金属製のコイルを動脈瘤の中に入れて閉じる治療をすることもあります。
大動脈に動脈瘤ができることもあります。大動脈は、心臓から血液を送り出している太い動脈です。
動脈瘤の原因は何ですか?
動脈瘤は次のような場合に起こります:
生まれつき動脈の壁がもろい
動脈の中に脂肪がたまっている(動脈硬化ともいいます)
ナイフで刺されたり、銃で撃たれたりして、動脈に傷ができた
動脈に細菌や真菌が感染した(ヘロインのような違法薬物の注射をすると、こうなることがあります)
動脈瘤にはどのような症状がありますか?
動脈瘤があっても、症状がまったく出ないこともあります。症状の種類は、動脈瘤ができた場所とその大きさで変わります。
脚の動脈瘤はふつう、動脈瘤の中に血栓ができなければ、症状は現れません。血栓ができると、それが動脈瘤から離れて、足の血液の流れをふさぐことで、足が痛くなり、しびれて、冷たくなります。
首の動脈瘤は、そこで作られた血栓が脳に移動することで、脳卒中を引き起こすことがあります。
脳の中の動脈瘤は、頭痛を起こすことがあります。脳の動脈瘤が破裂すると、脳の周りで出血(くも膜下出血といいます)が起きて、死んでしまう可能性があります。
動脈瘤に感染が起きることもあります。動脈瘤に感染が起きると、痛くなり、腫れます。
医師はどのようにして、私が動脈瘤かどうかを判断しますか?
医師はときどき、診察しているときに、動脈にドクドクと脈打つかたまりを感じることがあります。また次のこともします:
医師は動脈瘤をどのように治療しますか?
治療法は、動脈瘤がある場所によって変わります。
脳の動脈瘤は、金属製のクリップで動脈瘤を閉じる手術や、首の動脈に細いチューブ(カテーテル)を通して金属製のコイルを動脈瘤の中に設置する手術で治療します。
腕や脚の動脈瘤は、動脈瘤を取り除いて、人工の血管(グラフト)で置きかえる手術で治療します。ときには、動脈に通したカテーテルからグラフトを入れることができる場合もあります。
感染が起きた動脈瘤には、抗菌薬や抗真菌薬を使います。