膵臓すいぞうがん

がんは、細胞さいぼうが体からだの中なかで際限さいげんなく増ふえ続つづけていく病気びょうきです。細胞さいぼうとは、体からだを作つくり上あげている小ちいさな部品ぶひんのようなものです。細胞さいぼうは、それぞれ決きまった役割やくわりをはたしています。臓器ぞうきは、それぞれちがう種類しゅるいの細胞さいぼうでできています。ほぼすべての種類しゅるいの細胞さいぼうが、がんになる可能性かのうせいがあります。

膵臓すいぞうがんは、膵臓すいぞうにできるがんです。

• 症状しょうじょうとしては、腹部ふくぶの痛いたみ、体重たいじゅうが減へる、嘔吐おうとなどがあります。

• 膵臓すいぞうがんは、診断しんだんされる前まえに広ひろがっていることが多おおいです。

• 広ひろがる前まえなら、膵臓すいぞうがんは手術しゅじゅつで完全かんぜんに治なおることがあります。

• 膵臓すいぞうがんがいったん広ひろがると、完全かんぜんに治なおることはほとんどありません。

もし次つぎのことに当あてはまるなら、あなたは膵臓すいぞうがんになる可能性かのうせいが高たかいです：

• タバコを吸すっている

• 慢性膵炎まんせいすいえんにかかっている

• 家族かぞくに膵臓すいぞうがんの人ひとがいる

• 黒人こくじんである

• 男性だんせいである

膵臓すいぞうがんはふつう、広ひろがるまで症状しょうじょうを引ひき起おこしません。広ひろがると、次つぎのような症状しょうじょうが出でてきます：

• 背中せなかの真まん中なかにも感かんじることがある、腹部ふくぶの上うえの方ほうのひどい痛いたみ（前まえかがみになったり、体からだを丸まるめたりすると、軽かるくなることがあります）

• 体重たいじゅうが減へる

• 黄疸おうだん（皮膚ひふや目めの白しろい部分ぶぶんが黄色きいろくなること）

• 腹部ふくぶがふくれる、下痢げり

膵臓すいぞうがんの人ひとの多おおくは、膵臓すいぞうでインスリンが十分じゅうぶんにつくられなくなるため、糖尿病とうにょうびょうにもなります。

医師いしは次つぎの方法ほうほうで膵臓すいぞうがんを探さがします：

• 腹部ふくぶ（おなか）のCT検査けんさ

• MRCP検査けんさ（磁気共鳴じききょうめい胆道たんどう膵管すいかん造影検査ぞうえいけんさ—肝臓かんぞう、胆嚢たんのう、胆管たんかん、膵臓すいぞう、膵管すいかんを見みることができる特別とくべつな種類しゅるいのMRI検査けんさ）

• 超ちょう音波検査おんぱけんさ

• MRI検査けんさ

• 血液検査けつえきけんさ

• 生検せいけん（組織そしきの一部いちぶをとって、顕微鏡けんびきょうで調しらべる検査けんさ）

• 手術しゅじゅつ

がんは広ひろがっていないと判断はんだんしたら、医師いしは次つぎの治療ちりょうをすることがあります：

• 膵臓すいぞうと場合ばあいにより小腸しょうちょうの一部いちぶも切きり取とる手術しゅじゅつ

• 化学療法かがくりょうほう

• 放射線療法ほうしゃせんりょうほう

がんが広ひろがっている場合ばあいは、手術しゅじゅつをしても、効果こうかがありません。がんが近ちかくの組織そしきまでしか広ひろがっていなければ、医師いしは化学療法かがくりょうほうと放射線療法ほうしゃせんりょうほうをすることがあります。がんが大おおきく広ひろがっていたら、医師いしは苦くるしみを軽かるくするために、症状しょうじょうに対たいする治療ちりょうをします。症状しょうじょうに対たいする治療法ちりょうほうとしては次つぎのものがあります：

• 痛いたみ止どめの薬くすりまたは注射ちゅうしゃ

• 消化液しょうかえきをおぎなうための酵素こうそ

• 糖尿病とうにょうびょうがある場合ばあいはインスリン