白癬疹(はくせんしん)とは、皮膚糸状菌(真菌)感染症に対する体の反応であり、最初に感染が生じた部位とは別の部位に生じる発疹をいいます。
(皮膚真菌感染症の概要も参照のこと。)
白癬疹は実際には皮膚糸状菌症の一種ではありません。正しくは、体のある部位に起きた真菌感染症によって、感染していない他の部位の皮膚にアレルギー性の発疹が引き起こされたものです、例えば、足の真菌感染症が原因で、手の指にかゆみを伴うデコボコした発疹ができることがあります。そのような発疹(白癬疹、イド反応[id反応]とも呼ばれます)は、真菌に対するアレルギー反応です。感染部位に触れた結果として生じるものではありません。発疹が体の様々な部位に同時に現れることもあります。
この種の発疹は典型的にはかゆみを伴います。以下のような形で現れます。
液体の詰まった小さな発疹(手や足に生じる)
硬いいぼ
赤く盛り上がった斑
すねにできる青あざ様の盛り上がった発疹
標的に似たピンクがかった赤色の斑点
赤く盛り上がった腫れ(じん麻疹)
Image courtesy of CDC/Dr. Lucille K.Georg via the Centers for Disease Control and Prevention Public Health Image Library.
白癬疹の診断は皮膚の擦過物の検査結果に基づいて下されます。皮膚糸状菌感染症の発生部位から採取された擦過物では真菌が認められますが、白癬疹の発生部位から採取された擦過物では、真菌が認められません。これらの所見が同時にみられた場合は、2番目(離れた部位)の発疹が白癬疹であることを意味します。
白癬疹は皮膚糸状菌感染症が治癒すれば消失します。白癬疹の症状を緩和するために、コルチコステロイドのクリーム、かゆみ止めの内服薬(ヒドロキシジンなど)、またはその両方を投与します。