主な神経系ウイルス

主な症候群

患者と分布

特異的治療法

特異的予防法*

ポリオウイルス

ポリオ(急性弛緩性麻痺)

無菌性髄膜炎

全世界

ワクチンにより現在では発生率は低い

なし

ワクチン:生(経口),不活化(注射)

アルファウイルス(一部),蚊媒介性

西部ウマ脳炎

北米および南米

なし

ウマ用の防御ワクチンが使用可能

試験段階のワクチンがリスクのある検査室職員に使用されている

東部ウマ脳炎

北米,南米(Madariaga)

なし

ウマ用の防御ワクチンが使用可能

治験段階のワクチンがリスクのある検査室職員に使用されている

ベネズエラウマ脳炎

メキシコ湾岸諸州から南米にかけて

なし

ウマ用のワクチンが使用可能

治験段階のワクチンがリスクのある検査室職員に使用されている

フラビウイルス(一部),蚊媒介性

日本脳炎

東南アジア,日本,朝鮮半島,中国,インド,フィリピン,旧ソ連東部

なし

ワクチン

マレー渓谷脳炎

オーストラリア,ニューギニア

なし

なし

セントルイス脳炎

北米および南米

なし

なし

ウエストナイルウイルス脳炎

アフリカ,中東,フランス南部,旧ソ連諸国,インド,インドネシア,米国,カナダ,南米(アルゼンチン,ブラジル)

なし

ウイルスの有無について血液および血液製剤をスクリーニング

ウマ用のワクチンが使用可能

フラビウイルス(一部),ダニ媒介性

ポワッサン脳炎

カナダ,米国北東部および北中西部

なし

なし

ダニ媒介性脳炎

中東欧,バルカン半島,旧ソ連諸国

ダニの活動期と一致するアウトブレイク

なし

ワクチン

オルソブニヤウイルス(一部),蚊媒介性

カリフォルニア脳炎および近縁疾患(例,ラクロス脳炎)

おそらく全世界

米国中西部および東部でよくみられる

主として小児における症候性感染症

なし

なし

マーマアレナウイルス(mammarenavirus)(一部)

リンパ球性脈絡髄膜炎

米国,欧州,おそらく他地域でも

主な病原体保有生物:ハツカネズミ

秋冬に主として成人において

なし

なし

狂犬病ウイルス

狂犬病

世界中

なし

ワクチン

曝露後に狂犬病免疫グロブリン

ペットに予防接種を行う

* 非特異的な予防法(例,汚染された食物および水ならびに媒介節足動物および媒介動物の回避,日常的な衛生処置)も推奨される。

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