Rickettsia属，Orientia属，Ehrlichia属，Anaplasma属，およびCoxiella属による疾患
疾患 | 微生物 | 発疹または痂皮 | 媒介生物 | 流行地域 |
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発疹チフス | ||||
Rickettsia prowazekii | 体幹から四肢にかけて Brill-Zinsser病では認めない場合もある 痂皮は認めない | コロモジラミ | 世界中 | |
R. typhi, R. felis | 体幹から四肢にかけて 痂皮は認めない | ネズミノミ，ネコノミ | 世界中 | |
ツツガムシ病 | ||||
ツツガムシ病（scrub typhus） | Orientia tsutsugamushi（かつてのツツガムシ病リケッチア［R. tsutsugamushi］） | 体幹から四肢にかけて 痂皮を認める | ツツガムシの幼虫 | 日本，朝鮮半島，中国，インド，および北オーストラリアを境界とするアジア太平洋地域 |
紅斑熱 | ||||
R. rickettsii | 四肢から体幹にかけて 痂皮は認めない | マダニ類，主に米国西部に生息するDermacentor andersoni（森林ダニ）や主に米国東部および南部に生息するD. variabilis（イヌダニ）など | 米国の大部分（メイン州，ハワイ州，およびアラスカ州を除く）と中南米を含む西半球 | |
R. sibirica | 体幹，四肢，顔面 複数の痂皮を認める | マダニ類 | 中央アジア，シベリア，モンゴル，中国 | |
クイーンズランドダニチフス | R. australis | 体幹，四肢，顔面 痂皮を認める | マダニ類 | オーストラリア |
アフリカダニチフス（アフリカダニ刺咬熱［African tick bite fever］） | R. africae | 四肢のダニ刺咬部に複数の痂皮を認める | マダニ類 | サハラ以南アフリカ，西インド諸島 |
地中海紅斑熱（ボタン熱）* | R. conorii | 体幹，四肢，顔面 痂皮を認める | Rhipicephalus sanguineus（クリイロコイタマダニ） | アフリカ，インド，南欧，ならびに中東の地中海，黒海，およびカスピ海沿岸 |
R. akari | 体幹，四肢，顔面 痂皮を認める | 小型のダニ | 米国，ロシア，朝鮮半島，アフリカ | |
R. parkeriによるリケッチア症 | R. parkeri | 痂皮を認める | Gulf Coast tick（Amblyomma maculatum） | 米国南部，南米 |
Pacific Coast tick fever | R. philipii (364D) | 痂皮を認める 軽症例 | Pacific Coast tick（Dermacentor occidentalis） | カリフォルニア |
単球性エーリキア症 | Ehrlichia chaffeensis | 一般的ではないが，小児で比較的多い 痂皮は認めない | ダニ（A. americanum，ローンスターダニとしても知られる） | 米国の南東部および中南部 |
顆粒球アナプラズマ症 | Anaplasma phagocytophilum | なし 痂皮は認めない | ダニ（米国東部および中西部ではIxodes scapularis，米国西部ではI. pacificus，欧州ではおそらくI. ricinus） | 米国の北東部，中部大西洋沿岸，北中西部，および西海岸，ならびに欧州 |
Q熱 | ||||
Coxiella burnetii | まれであるが，小児で比較的多い 痂皮は認めない | 媒介生物を必要としない | 世界中 | |
*しばしば各疾患の発生地域の地名で呼ばれている（例，インドダニチフス，マルセイユ熱）。 | ||||