COPDの鑑別診断

診断

発症時期

画像検査結果

その他の特徴

COPD

中年期

ときに肺の過膨張,ブラ,胸骨後方の気腔の増大,気管支壁の肥厚(胸部X線で描出される)などがみられるが,通常は診断の参考にはならず,主に他の疾患の除外のために行われる

緩徐に進行する症状

喫煙歴またはタバコへの曝露歴,またはその他の形態の喫煙歴

喘息

生涯の早い時期(しばしば小児期)

通常は正常,場合により過膨張

症状は日毎に大きく変動する

症状は夜間または早朝に悪化することが多い

アレルギー,鼻炎,または湿疹の病歴

しばしば喘息の家族歴

しばしば肥満

気管支拡張症

全年齢層,ただし高齢者または中年で最も多い

気管支拡張および気管支壁肥厚(胸部X線または胸部CTでみられる)

しばしば大量の膿性痰を認める

しばしば,繰り返す慢性細菌感染症の既往あり

しばしば,小児期に肺炎または百日咳の既往あり

びまん性汎細気管支炎

通常は10~60歳(平均40歳)

胸部X線および高分解能CTでみられる,びまん性の小葉中心性結節影および過膨張

大抵は男性の非喫煙者

ほぼ全ての患者に慢性副鼻腔炎がみられる

アジア人の系統に多い

心不全

全年齢層,ただし高齢者または中年で最も多い

心拡大,胸水,大葉間裂内の液体貯留,ときに肺水腫(胸部X線でみられる)

気流制限を伴わない肺気量制限(肺機能検査で発見される)

閉塞性細気管支炎

比較的若年での発症

末梢部の低吸収域(呼気時のCTでみられる)

非喫煙者にみられ,関節リウマチまたは有毒ガスへの急性曝露の既往がある場合がある

肺移植または骨髄移植の既往

結核

全年齢層

肺の浸潤影(典型的には多結節性),ときに肺門リンパ節の石灰化(胸部X線でみられる)

微生物学的検査により確定

通常,結核の有病率が高い地域でみられる

Data adapted from Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease (GOLD): 2020 Global Strategy for the Diagnosis, Management and Prevention of COPD.Available at http://www.goldcopd.org.

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