高齢者向けデイケア

デイケアは，医療，リハビリテーション，および認知支援サービスを週に数日，1日に数時間提供する。全デイケア施設が一定の基本サービスとして送迎プログラム，栄養プログラム，ならびにレクリエーションおよび社会活動プログラムを提供する。米国には，約4200のデイケアプログラムがあり，1日に約25万1100人の参加者にサービスを提供している(1)；これに対して，介護施設は15,000を超える。大半のデイケアプログラムは小規模で，参加者は平均20名である。

デイケアにはいくつかのモデルがある。

• デイホスピタル：本モデルは，リハビリテーションまたは集中的な専門的ケアに重点を置いている。本モデルは，急性疾患（例，脳卒中，切断術，骨折）からの回復期の患者向けに設計されている。プログラムは通常，期間が限定されており（6週間～6カ月間），患者数に対する職員数の比が高いため，高額である。

• 維持：本モデルは，限定的な専門的ケア（慢性疾患のスクリーニングおよびモニタリング）と運動を組み合わせたものである。目標は，悪化の予防，患者の機能水準を可能な限り長期間維持または改善すること，自己像の向上，日常生活の単調さの解消，慢性疾患の増悪の予防，ならびに孤独感，孤立，および引きこもりの予防である。維持プログラムは長期ケアを提供し，デイホスピタルプログラムより費用がかからない。

• 社会的：本モデルは，カウンセリング，集団療法，および認知再訓練を提供する。本モデルは，様々な心理社会的ニーズを有する高齢者にケアを提供する一般的な高齢者施設，または認知症もしくは精神疾患を有する高齢者にケアを提供する精神医療センターに類似することがある。

プログラムは，車椅子を使用している患者および失禁のある患者をますます多く受け入れるようになっている；しかし，社交関係を破壊する患者は受け入れられない。ケアは長期にわたることもあれば，限定された期間の場合もある。

このような施設は，必要とされる医療を提供する以外に，レスパイトケアも提供する。それにより，介護施設への入所を遅らせるか，または回避するのに役立つことがある。

（高齢者ケアの概要も参照のこと。）