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中隔視神経形成異常症は,胎生1カ月目の終盤にかけて発生する脳前部の形成異常であり,視神経低形成,透明中隔(左右の側脳室前角を隔てる膜)の欠損または異常,下垂体低形成および下垂体機能低下症などを引き起こす。
原因は複数考えられるが,中隔視神経形成異常症の患児の一部でHESX1遺伝子の異常が発見されている。
中隔視神経形成異常症の症状と徴候
中隔視神経形成異常症の症状としては,片眼または両眼の視力低下,眼振,斜視,内分泌機能障害(例,成長ホルモン欠損症,甲状腺機能低下症,副腎皮質機能低下症,尿崩症,性腺機能低下症)などがある。痙攣発作が起きることもある。
知能は正常な患児もいるが,多くは学習障害,知的障害,脳性麻痺,その他の発達遅滞を示す。
中隔視神経形成異常症の診断
MRI
中隔視神経形成異常症の診断はMRIによる。この形成異常が診断された小児では,全例に対して下垂体の内分異常および発達異常のスクリーニングを実施すべきである。
中隔視神経形成異常症を伴う多小脳回症
Image courtesy of Stephen J.Falchek, MD.
透明中隔の欠損と脳室の拡大を検出できる胎児超音波検査の施行数が増加し,さらに続いて胎児MRIも施行されることで,この形成異常の早期発見が増加している。
中隔視神経形成異常症の治療
支持療法
下垂体ホルモン補充療法
中隔視神経形成異常症の治療は支持療法であり,欠損している下垂体ホルモンの補充などを行う。
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