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先天性副腎過形成症は遺伝性疾患の一群で,いずれもコルチゾール,アルドステロンまたはその両方の合成が不十分であることを特徴とする。最もよくみられる型では,蓄積されたホルモン前駆体がアンドロゲン産生経路へ流入し,アンドロゲン過剰が生じる;まれな型ではアンドロゲン合成も不十分である。
様々な形態をとる先天性副腎過形成症においては,コレステロールから副腎ステロイドホルモンを合成する際に必要となる副腎酵素の1つに常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)の欠損が生じることで,コルチゾール(グルココルチコイドの1つ),アルドステロン(ミネラルコルチコイドの1つ),またはその両方の産生が障害される。酵素が欠損または不足し,コルチゾール,アルドステロン,またはその両方が完全または部分的に合成不能となる。コルチゾールの合成が欠損または減少する型では,正常ではコルチゾールにより抑制される副腎皮質刺激ホルモン(ACTH,コルチコトロピン)の分泌が過剰となる。
先天性副腎過形成症の最も一般的な型は21-水酸化酵素欠損症および11β-水酸化酵素欠損症である。これらの型では,欠損した酵素の近位の前駆体が蓄積し,副腎アンドロゲンに代謝される。その結果アンドロゲン分泌が過剰になり,罹患した女児の外性器に様々な度合いの男性化をもたらす;男児の外性器に異常は認められない。
21-水酸化酵素欠損症および11β-水酸化酵素欠損症以外で,酵素に影響を及ぼす比較的まれな一部の型では,欠損した酵素によりアンドロゲンの合成が障害される(デヒドロエピアンドロステロン[DHEA]またはアンドロステンジオン)。その結果,男児の男性化が不十分になるが,女児に異常は認められない。
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