乾皮症

• 臨床的評価

乾皮症の診断は臨床的評価に基づく。

乾皮症は通常，病変部に紅斑を認めないことをもってアトピー性皮膚炎や乾癬などの炎症性疾患と鑑別することができる。乾皮症の微細な白い鱗屑とは異なり，魚鱗癬は魚のような鱗屑を特徴とする。

• 最大限の皮膚の保湿

乾皮症の治療は皮膚を湿った状態に保つことに重点が置かれる：

• 入浴の頻度を減らし，熱い湯ではなく，微温湯を使用するべきである。

• 経表皮水分蒸散量を減らすため，皮膚用の保湿剤を頻回に使用すべきである（特に入浴直後）。水溶性基剤のローションよりも，ワセリンまたは油脂性基剤の保湿剤といった粘稠度の高い保湿剤の方がより効果的であるが，温暖な気候ではウォーターベースローションの方が忍容性が良好となる場合がある。セラミド，α-ヒドロキシ酸（例，乳酸，グリコール酸，ピルビン酸），β-ヒドロキシ酸（例，サリチル酸）などの添加剤を含有する保湿剤が非常によく使用されている。

• 水分摂取を増やし，加湿器を使用することも有用である。

手の皮膚炎を発症した患者には，炎症を軽減して皮膚バリアを維持するために，ときに外用コルチコステロイドが必要となる。