レファムリン(lefamulin)は,プレウロムチリン系抗菌薬であり,細菌リボソーム50Sのペプチジル転移酵素中心に結合することで細菌のタンパク質合成を阻害し,それによりトランスファーRNAの結合を妨げる。
薬物動態
経口での生物学的利用能は約25%であり,したがって,経口投与量(12時間毎に600mg)は静脈内投与量(12時間毎に150mg)の4倍となる。レファムリン(lefamulin)は腎排泄が最小限であるため,腎疾患患者での用量調節を必要としない。
レファムリン(lefamulin)の適応
レファムリン(lefamulin)は,以下の感受性微生物によって引き起こされる細菌性市中肺炎(CABP)の治療に適応がある:
肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)
インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)
Legionella pneumophila
肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)
肺炎クラミジア(Chlamydophila pneumoniae)
レファムリン(lefamulin)の禁忌
QT延長作用のあるCYP3A4の基質(タクロリムス,ドフェチリド,クエチアピンなど)とレファムリン(lefamulin)の併用は禁忌である。
妊娠中および授乳中の使用
レファムリン(lefamulin)の動物生殖試験では,胎児に対するいくらかのリスクが示されているが,妊婦を対象として適切な対照を置いた十分な研究は実施されていない。妊婦では,より良好な安全性データが得られるまで,レファムリン(lefamulin)の代替薬を考慮すべきである。妊娠可能な女性は,治療中と最終投与後2日間は避妊を行うべきである。
動物の乳汁中分泌試験からは,レファムリン(lefamulin)が母乳中に濃縮されることが示唆される。レファムリン(lefamulin)を使用している授乳中の女性は,レファムリン(lefamulin)を使用中および最終投与後2日間は,搾乳し,乳汁を廃棄することが勧められる。
レファムリン(lefamulin)の有害作用
レファムリン(lefamulin)は,QT延長を引き起こすことがあり,QT間隔を延長させる他の薬剤と併用した場合特にそのリスクが高まる。