経胸壁針生検

執筆者:Rebecca Dezube, MD, MHS, Johns Hopkins University
レビュー/改訂 2021年 5月
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胸部または縦隔の構造物に対する経胸壁針生検では,組織学的な分析を行うため,カッティングニードルを用いて円筒形の組織検体を吸引する。

適応

経胸壁針生検は,以下の評価のために行われる:

  • 末梢の肺結節または肺腫瘤

  • 肺門,縦隔,および胸膜の異常

  • 未診断の浸潤影または肺炎の症例で,気管支鏡が禁忌または気管支鏡で診断がつかない場合

熟練した細胞病理医参加のもとにCTガイド下で経胸壁針生検が行われる場合,95%を超える精度をもってがんの診断が確定される。良性疾患における針生検の診断精度は,50~60%に過ぎない。

禁忌

禁忌は胸腔穿刺と同様である。その他の禁忌は以下の通りである:

  • 出血性疾患または是正できない抗凝固状態があり,血小板数が50,000/μL(50 × 109/L)未満

  • 嚢胞性肺疾患

  • 対側の肺全摘除

  • 包虫嚢胞

  • 難治性の咳嗽

  • 機械的人工換気

  • 肺高血圧症

  • 腐敗性肺膿瘍(putrid lung abscess)

  • 血管性病変の疑い

手技

経胸壁針生検は通常IVR(interventional radiologist)専門医により実施され,しばしば細胞病理医参加のもとに行われる。

  • 無菌状態にて,局所麻酔,および画像によるガイド下(通常CTであるが,ときに胸膜病変に対して超音波)に行われ,患者が息を止めている間に病変部へと生検針を進める。

  • 病変部から吸引を行うが,この際に生理食塩水を用いることもある。

  • 細胞学的および細菌学的検査のために2~3検体を採取する。

手技の後は,X線透視や胸部X線を用いて気胸および出血がないか確認する。

合併症

合併症としては以下のものがある:

  • 気胸(10~37%)

  • 喀血(10~25%)

  • 肺実質出血

  • 空気塞栓

  • 皮下気腫

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