閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)

執筆者:Kingman P. Strohl, MD, Case School of Medicine, Case Western Reserve University
レビュー/改訂 2022年 10月
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閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)では,睡眠中に起こる上気道の部分または完全閉塞により呼吸停止(10秒以上持続する無呼吸または低呼吸と定義される)がみられ,それに続いて覚醒および過呼吸を来すエピソードが複数回認められる。症状としては,日中の過度の眠気,不穏状態,いびき,繰り返す覚醒,起床時の頭痛などがありうる。診断は睡眠歴および睡眠ポリグラフ検査に基づく。治療は,持続陽圧呼吸療法(CPAP),口腔内装置,および難治例では手術による。治療を行えば予後は良好である。未治療の患者は,高血圧,心房細動およびその他の不整脈,心不全,ならびに過度の眠気による自動車およびその他の事故に起因する外傷や死亡のリスクがある。

小児における閉塞性睡眠時無呼吸症候群も参照のこと。)

医学計算ツール(学習用)

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)はよくみられ,肥満の有病率の増加に伴い本疾患の有病率も増加している。世界で推定10億人が罹患しており(1),その大半が未診断かつ未治療である。症状を伴うある程度のOSAが成人の8~16%にみられる。OSAは男性で4倍多く(2),肥満患者(すなわち,BMI[body mass index] ≥ 30)で7倍多い。

臨床像,治療,および予後は性別および年齢により異なる(2, 3)。

総論の参考文献

  1. 1.Gottlieb DJ, Punjabi NM: Diagnosis and management of obstructive sleep apnea: A review. JAMA 323(14):1389-1400, 2020.doi:10.1001/jama.2020.3514

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閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の病態生理

閉塞性睡眠時無呼吸症候群には,睡眠中の上気道解剖の崩れが関係する。睡眠により上気道の開存性が不安定になると,上咽頭または中咽頭もしくはその両方が部分的または完全に閉塞する。気道の開通性は変動する傾向があり,その結果無呼吸と回復の期間が繰り返される。

閉塞により無呼吸または低呼吸のエピソードが複数回生じ,その結果,低酸素症および高炭酸ガス血症に至るが,これら全てが正常な睡眠を障害し,ノンレム睡眠およびレム睡眠からの部分的または完全な覚醒を引き起こす(1)。上気道閉塞に対する吸気努力により胸腔内圧に変動が生じ,これが心機能に影響を及ぼす。また,内皮および神経伝達物質の機能障害が起こる。こうした全ての因子が影響し合って,重大な合併症および死亡を引き起こす。

関連疾患

より軽症の病型では,酸素飽和度の低下がみられない場合もあるが,睡眠は障害される。

閉塞性睡眠時低呼吸は,高い気道抵抗が存在する状態で吸気流量が減少する(ただし欠如するわけではない)病態である。

上気道抵抗症候群は,次第に大きくなるいびきが,鼻鳴らしと呼吸努力関連覚醒(RERA)により止むものである。呼吸は減少するが,閉塞性無呼吸および低呼吸の厳密な基準を満たさない。上気道抵抗症候群の患者は,典型的にはOSA患者より若年で肥満度が低い。患者は女性であることが多く,疲労や不眠を訴える。いびき症と上気道抵抗症候群は,吸気時の雑音を生じるが,睡眠からの覚醒が2秒を超えることはない。いびき症と上気道抵抗症候群の症状,診断評価,および治療は,OSAと類似する。

合併症

閉塞性睡眠時無呼吸症候群は,日中の過度の眠気の医学的原因として最多のものである。より正確には,覚醒中の過度の眠気と言うべきであり,これは夜間に仕事をする人は夜間に過度の眠気を呈することがあるためである。過度の眠気は,自動車事故,仕事上の困難,および性機能障害のリスクを大きく高める。多くの場合,ある程度の認知障害に加えて,外傷のリスクの増大(例,重機の操作,または意図しない睡眠エピソードが生じると危険なその他の活動に従事しているとき)もある。患者の睡眠はうるさく,落ち着きがないため,ベッドパートナー,ルームメイト,同居者も睡眠困難に陥り,悪影響を受けることがある。重症OSA(1時間当たりの無呼吸低呼吸指数 > 30)は中年男性の死亡リスクを上昇させる。

OSAには,過度の眠気とは無関係の医学的リスクもある。高血圧はOSAと強く関連する(2)。血圧が正常な未治療のOSA患者は,診断から5年以内に高血圧を発症する可能性が高い。繰り返す夜間低酸素症および睡眠障害は,心不全心房細動(カテーテルアブレーション後もみられる)およびその他の不整脈,非アルコール性脂肪肝脳卒中などの疾患のリスク増大と関連している(3)。脳卒中および全死亡のリスクは,他の危険因子(例,高血圧糖尿病)で調整しても依然として高い(4)。しかしながら,これらの一般的な疾患に対するOSAの寄与(およびそれによる社会的費用)はしばしば過小評価されている(5)。

さらに,OSAが認識されていない患者では,心停止などの周術期合併症が起こることがあるが,これは中等度以上の鎮静および全身麻酔が気道閉塞のリスクであるためである。患者はOSAであることを全ての手術前に麻酔医に知らせるべきであり,また術前薬物治療を受ける際および回復期には持続陽圧呼吸療法(CPAP)を受けるべきである。

病態生理に関する参考文献

  1. 1.Zinchuk AV, Gentry M , Concato J, et al: Phenotypes in obstructive sleep apnea: A definition, examples and evolution of approaches.Sleep Med Rev 35:113-123, 2017.doi: 10.1016/j.smrv.2016.10.002

  2. 2.Van Ryswyk E, Mukherjee S, Chai-Coetzer CL, et al: Sleep disorders, including sleep apnea and hypertension.Am J Hypertens 31(8):857-864, 2018.doi: 10.1093/ajh/hpy082

  3. 3.Zinchuk AV, Jeon S, Koo BB, et al: Polysomnographic phenotypes and their cardiovascular implications in obstructive sleep apnoea.Thorax 73(5):472–480, 2018.doi: 10.1136/thoraxjnl-2017-210431

  4. 4.Yaggi HK, Concato J, Kernan WN, et al: Obstructive sleep apnea as a risk factor for stroke and death. N Engl J Med 353(19):2034-2041, 2005.doi:10.1056/NEJMoa043104

  5. 5.Borsoi L, Armeni P, Donin G, et al: The invisible costs of obstructive sleep apnea (OSA): Systematic review and cost-of-illness analysis.PLoS One 17(5):e0268677, 2022.doi: 10.1371/journal.pone.0268677

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の病因

閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対する解剖学的な危険因子には以下のものがある:

  • 短いか後退した下顎のために「混み合っている」中咽頭

  • 舌根部および扁桃の肥大

  • 丸い頭部および短い首

  • > 43cm超(17インチ超)の首周囲径

  • 咽頭側壁の肥厚および傍咽頭脂肪組織

このような危険因子からは重症度を予測できない可能性がある。

その他危険因子として同定されているものには,閉経後であること,加齢,肥満,および飲酒または鎮静薬の使用などがある(1)。OSAの原因または寄与因子となりうる疾患としては,夜間の胃食道逆流先端巨大症甲状腺機能低下症のほか,脳卒中の既往などがある。夜間狭心症はOSAのリスクを15倍増加させる。OSAと肥満低換気症候群はしばしば併存する。

OSAの家族歴は成人症例の25~40%にみられ,これは換気ドライブまたは解剖学的構造に影響を及ぼす多遺伝子性のリスクを反映している;遺伝的リスクは民族によって異なる可能性がある(2)。ある家系員にOSAが発生する可能性は,その家系内の他の患者の数に比例する。

病因論に関する参考文献

  1. 1.Patel SR: Obstructive sleep apnea.Ann Intern Med 171(11):ITC81-ITC96, 2019.doi: 10.7326/AITC201912030

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閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の症状と徴候

大きな激しいいびきは閉塞性睡眠時無呼吸症候群患者の85%で報告されているものの,いびきがみられる人の大半は閉塞性睡眠時無呼吸症候群ではない。OSAのその他の症状(1, 2) としては以下のものがある:

  • 睡眠中の息詰まり,喘ぎ,または鼻鳴らし

  • 浅くて休息感の得られない睡眠

  • 熟睡できない

患者の大半は,睡眠中であるためこれらの症状に気づかず,ベッドパートナー,ルームメイト,同居者に言われて初めて知ることとなる。朝になって咽頭痛,口腔乾燥,または頭痛がみられる患者もいる。

日々の活動中に強烈な眠気,疲労,集中力の低下が生じることもある。睡眠愁訴の頻度および日中の眠気の程度は,イベントまたは睡眠からの覚醒の回数とあまり相関しない。しかしながら,眠気のある患者は心血管系合併症のリスクが高い。全ての患者が眠気を訴えるわけではない。

身体診察では,鼻閉の徴候,扁桃肥大,および咽頭構造の異常を認めることがある。OSAに対する解剖学的な危険因子に注意すべきである。

症状と徴候に関する参考文献

  1. 1.Lee JJ, Sundar KM: Evaluation and management of adults with obstructive sleep apnea syndrome.Lung 199(2):87-101, 2021.doi: 10.1007/s00408-021-00426-w

  2. 2.Strohl KP, Redline S.Recognition of obstructive sleep apnea.Am J Respir Crit Care Med 154(2 Pt 1):279-89, 1996.doi: 10.1164/ajrccm.154.2.8756795.PMID: 8756795.

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の診断

  • 臨床的評価によって疑う

  • 睡眠検査によって確定する

危険因子,症状,またはその両方が同定できる場合,閉塞性睡眠時無呼吸症候群が疑われる。

リスク評価の際には,患者だけでなく,ベッドパートナー,ルームメイト,同居者ら全員が情報源となる。隣室でも聞こえるほどの大きないびきでは,1時間当たりの無呼吸低呼吸指数 > 5である可能性が10倍になる。

以下の患者はリスクが高く,より詳しい評価が必要になる:

  • 年齢が約65歳以上

  • 日中の疲労,眠気,または睡眠の継続困難を訴える

  • 過体重

  • コントロール不良の高血圧(OSAによって引き起こされるまたは悪化することがある),心房細動もしくはその他の不整脈,心不全(OSAの原因となる,またはOSAと併存することがある[1]),脳卒中,または糖尿病

専門家でない者がリスクを評価する際,STOP-Bang,Berlin Questionnaire(BQ),エプワース眠気スケール(Epworth Sleepiness Scale:ESS)などの質問票を使用することができる。ただし,睡眠検査による精度の高い結果と比較すると,これらの質問票は特異度が低く,偽陽性率が高いため,診断に利用したり治療の指針としたりすべきではない。複数の指標を用いて評価するSTOP-BangおよびBQは,OSAのリスクに対してESSよりも特異度が高く,陰性適中率も良好である(2)。

医学計算ツール(学習用)

Accountable Care Organizationや医療保険会社は,この疾患の可能性を推定するために,症状を用いないリスクスコアを使用しているが,このスコアは個々の患者レベルでの特異度に欠けている(3)。(Centers for Medicare & Medicaid Services:Accountable Care Organizationについても参照のこと。)現在では,症状,併存症,および検査結果の多変量解析から,管理を個別化し,睡眠時無呼吸を無治療で放置した場合の個々のリスクの算出に役立つ方法が提案されている(4)。

病歴と,ウェアラブルデバイスから入力された生理学的情報を人工知能を用いて分析することで疾患の確率を推定する研究が始まっている(5)。睡眠不足,いびき,および睡眠時無呼吸の有病率の高さ,ならびに無治療で放置した場合の影響を考慮すると,こうした技術は教育的に価値があり有益な可能性がある。とはいえ,診断および治療は症状に基づいて行うべきである。

症状,スクリーニング質問票,および/または危険因子からOSAの可能性が高いことが示唆される患者には,一般的には睡眠モニタリングを行って無呼吸低呼吸指数(AHI),または代替指標である呼吸障害指数(RDI)などを測定すべきであり,これは診断の確定および重症度の判定には必須である。いびきのみを報告する患者の大半では,他の症状や心血管系のリスクがなければ,OSAの広範な評価は不要であり,運動を増やす,減量する,睡眠衛生を改善する,鼻アレルギーを治療するだけで改善する。

無呼吸低呼吸指数(AHI)は,睡眠中に起きた無呼吸および低呼吸エピソードの総数を睡眠時間で割って得られるものであり,1時間当たりの無呼吸エピソード数を示すものである。発生するイベント数が多いほど,OSAは重症であり,悪影響を及ぼす可能性も高くなる。AHI値は異なる睡眠段階および体位(側臥位または仰臥位)に応じて計算が可能である。

OSAの診断基準は日中の症状,夜間の症状,および睡眠モニタリングの結果でから成り,睡眠モニタリングの結果は,症状のある患者でAHI ≥ 5(1時間当たり),無症状の患者でAHI ≥ 15(1時間当たり)でなければならない。症状は以下のうち少なくとも1つがなければならない:

  • 休息感の得られない睡眠

  • 日中の眠気*,疲労

  • 意図しない睡眠エピソード

  • 睡眠継続困難

  • 一時的な呼吸の停止,喘ぎ,または息詰まりによる覚醒

  • 大きないびき,呼吸の中断,またはその両方をベッドパートナーが報告

*過剰な(すなわち,日常活動に支障を来す,または衝突やミスを引き起こす)眠気は特に意義が大きい。

鑑別診断には,睡眠の量や質を低下させたり,日中の鎮静や眠気を引き起こしたりする他の多くの病態や因子が含まれる。具体的には以下のものがある:

  • その他の睡眠障害:睡眠衛生不良,ナルコレプシーおよびその他の過眠性疾患,レストレスレッグス症候群,周期性四肢運動障害

  • 薬剤および物質の使用:アルコール,鎮静薬,多くの治療薬およびレクリエーショナルドラッグ(睡眠を妨害する薬物の例の表を参照)。

  • 内科的疾患:心血管系,呼吸器,および代謝性疾患(例,甲状腺機能低下症

  • 抑うつ(睡眠障害に伴う,または睡眠障害に寄与することが多い)

病歴(睡眠歴を含む)および身体診察では,これらの疾患の所見を探すべきである(甲状腺機能低下症先端巨大症の臨床的特徴の同定など)。

甲状腺機能低下症が臨床的に疑われる患者では甲状腺刺激ホルモンの測定が有用な場合があるが,ルーチンに行うべきではない。他の補助検査(例,上気道の画像検査,顔面写真,がん関連倦怠感などの指標)で,ルーチンに推奨されるほどの診断精度をもつものはない。

睡眠検査

睡眠検査には以下のものがある:

  • 睡眠検査室で実施する従来の睡眠ポリグラフ検査

  • 患者が自宅の寝室で使用できる携帯型の診断ツール

睡眠ポリグラフ検査は,睡眠段階,無呼吸および低呼吸の出現ならびに持続時間を記録し,それらの分類に役立つ。これは,OSAの診断を確定し,OSAの重症度を定量化する上で理想的な検査である。しかしながら,睡眠検査室での一晩の滞在が必要であり,そのため複雑で高価である。睡眠ポリグラフ検査には一般的に以下のものが含まれる:

  • 脳波検査による睡眠構造の連続的測定

  • 顎筋電図による筋緊張低下の検出

  • 眼電図による急速眼球運動の発生の評価

  • 鼻と口に取り付ける気流センサーによる無呼吸および低呼吸の検出

  • 胸部および/または腹部センサーによる呼吸努力の検出

  • パルスオキシメトリーによる酸素飽和度の測定

  • 心電図モニタリングによる無呼吸エピソードに関連する不整脈の検出

患者はビデオでも観察される。

そのほかに評価するものには,四肢の筋活動(レストレスレッグス症候群および周期性四肢運動障害などの,睡眠覚醒の非呼吸性の原因を評価するため)および体位(無呼吸は主に仰臥位で起こる可能性があるため)などがある。

無呼吸低呼吸指数(AHI)は,睡眠中に起きた無呼吸および低呼吸エピソードの総数を睡眠時間で割って得られるものである。これは,睡眠中の呼吸障害の一般的な指標であり,OSAの重症度分類に用いられる。ただしAHIだけでは治療の必要性を判定できないことに注意すること。

OSAは以下のように分類される:

  • 軽度:AHIが5~14(1時間当たり)

  • 中等度:AHIが15~30(1時間当たり)

  • 重症:AHI > 30(1時間当たり)

一部の患者ではAHIが非常に高い(> 60)ことがある。

呼吸障害指数(RDI)は,これに関連する尺度で,睡眠1時間当たりの,呼吸努力に関連する覚醒エピソード(呼吸努力関連覚醒またはRERAと呼ばれる)の回数に,無呼吸および低呼吸エピソードの回数を加えたものである。

覚醒指数は睡眠1時間当たりの覚醒回数であり,脳波モニタリングを用いれば計算することができる。覚醒指数は無呼吸低呼吸指数および呼吸障害指数と緩やかに相関する;無呼吸および酸素飽和度低下エピソードの約20%は覚醒を伴わず,また他の覚醒原因が存在することもある。

しかし,無呼吸低呼吸指数,覚醒指数および呼吸障害指数と,患者の症状との関連は中程度に過ぎない。AHIが高いか極めて高い(例,> 60)患者でも,症状がほとんどまたは全くみられないことがある。その他の測定指標やそれらを組み合わせたものも診断に有用な場合がある(6)。さらに現在の研究では,アウトカムならびに心血管リスクおよび死亡率と関連するのは(単なるAHIではなく)臨床データと睡眠ポリグラフデータの組合せであることが示されており,例えば,AHIにかかわらず眠気は過度の心血管疾患と関連することがわかっている。

携帯型診断ツールを用いた自宅での睡眠検査では,睡眠ポリグラフ検査の一部の機能(典型的には心拍数,パルスオキシメトリー,呼吸努力,体位,および鼻流量のみ)を用いて無呼吸を検出し,その重症度を推定する。便利で低コストであることに加え,睡眠中の呼吸障害をかなり正確に推定できることから,この検査の役割は拡大している(7)。

ただし,携帯型ツールの機能には限界がある。というのも,このツールで実際に睡眠の存在を検出するのではなく,睡眠は患者の自己報告に頼っているため,不正確さが残る可能性がある;患者が検査の一部の期間中に睡眠をとっておらず,これを報告しなかった場合,睡眠呼吸障害は過小評価されることになる。また,併存する睡眠障害(例,レストレスレッグス症候群,痙攣発作,レム睡眠行動障害,錯乱性覚醒[confusional arousal])も検出されない。このような疾患の特徴を検出するため,睡眠段階および体位ごとのAHI/RDI値を正確に測定するために,睡眠ポリグラフによるフォローアップ検査が依然として必要になることがあり,手術をはじめ陽圧呼吸療法以外の治療が検討されている場合には,この検査が特に重要である。

携帯型ツールは,しばしば質問票(例,STOP-Bang,Berlin Questionnaire)とともに用いられる。質問票の結果から推定される疾患の検査前確率が高いほど,携帯型ツールの感度および特異度は高くなる。

診断に関する参考文献

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  4. 4.Keenan BT, Kim J, Singh B, et al: Recognizable clinical subtypes of obstructive sleep apnea across international sleep centers: a cluster analysis.Sleep 41(3):zsx214, 2018.doi: 10.1093/sleep/zsx214

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閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の予後

治療が開始され,受け入れられ,効果的であった場合の閉塞性睡眠時無呼吸症候群の予後は極めて良好である。未治療または未診断のOSAがあると,生活の質が低下し,高血圧のリスクが高まり,危険を伴いうる活動への従事中に入眠してしまい受傷することがある。OSAを治療することにより,睡眠,日中の覚醒度,および生活の質が改善する。

OSAを治療すると,2~3mmHg程度であるが血圧が低下し(1),治療抵抗性高血圧患者ではより大きな効果が得られる。脳卒中の有病率が低下し,腎機能の低下が緩やかになる可能性もある。治療により,日中の過度の眠気とそれに伴う影響を軽減できる可能性があり,いびきや落ち着きのない睡眠が減少する。治療を行うことで心不全または不整脈が減少するという強力なエビデンスはまだ存在しないが,治療によってこれらの病態の管理が容易になる可能性がある。CPAPの比較試験では死亡率への影響に不一致があり,一般に治療群のアドヒアランス不良(約50%)が原因とされている。

高血圧,短い睡眠時間,不眠症,レストレスレッグス症候群(RLS),糖尿病などとOSAとの関連は複数の研究によって同定されているが,これらの疾患との因果関係は証明されていない。

予後に関する参考文献

  1. 1.Bratton DJ, Gaisl T, Wons AM, et al: CPAP vs mandibular advancement devices and blood pressure in patients with obstructive sleep apnea: a systematic review and meta-analysis. JAMA 314(21):2280-2293, 2015.doi:10.1001/jama.2015.16303

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の治療

  • 肥満,高血圧,飲酒,鎮静薬の使用などの危険因子の管理

  • 持続陽圧呼吸療法(CPAP)または口腔内装置

  • ときに手術,または神経刺激

1時間当たりの無呼吸低呼吸指数(AHI)が5以上であれば,閉塞性睡眠時無呼吸症候群の診断が確定する;治療は症状(疲労を伴う眠気,非回復性睡眠[nonrestorative sleep],およびいびき/喘ぎ/息詰まり)のある患者にのみ行う。AHI値が15以上であれば中等度以上の睡眠時無呼吸であることを示し,症状がない患者における治療開始閾値と考えられている。

治療を待つ間,眠気のある患者には,自動車の運転,重機の操作,または意図しない睡眠エピソードが生じると危険なその他の活動に従事することのリスクについて警告すべきである。

治療の目的(1)は以下の通りある:

  • 低酸素症および睡眠分断化のエピソードを減少させる

  • 睡眠の連続性および構造を回復する

  • 窒息エピソードを避ける

治療には多くのアプローチがある。患者と医師は共同で意思決定を行い,疾患の程度および性質に合わせて,患者にとって最も重要な転帰を考慮しつつ実施可能な介入を選択すべきである。

治療は危険因子とOSAそれ自体の両方に対して行う。第1選択の直接的な治療には,持続陽圧呼吸療法(CPAP)装置または口腔内装置がある。解剖学的狭窄またはこれらの装置に反応しない症例には,手術または神経刺激が考慮される。治療の成功は,症状が消失するとともに,1時間当たりのAHIが通常は10未満,理想的には5未満まで低下することと定義されている。

危険因子の管理

初期治療の目標は,肥満,高血圧,飲酒,鎮静薬の使用などの危険因子の管理である。運動は,BMI(body mass index)への影響の有無や程度にかかわらず,AHIを低下させ,覚醒度を上昇させる。

日中の眠気は,睡眠時間の延長や鎮静薬(特に抗ヒスタミン薬または抗うつ薬)の中止など,良好な睡眠衛生対策により軽減できる。

適度の減量(≥ 15%)を行うことで臨床的に意味のある改善をみることがある(2, 3)ものの,OSAへの根治的な効果があるとみなすべきではない。また,大半の患者,特に疲労困憊している患者または眠気のある患者にとって減量は極めて困難である。肥満外科手術は,どのような術式で実施されるにせよ,選択肢の1つであり,重度肥満(BMI ≥ 40)のOSA患者の85%に症状およびAHIの改善をもたらす;しかしながら,手術による減量の程度ほど顕著な改善はみられない可能性がある。

持続陽圧呼吸療法(CPAP)

CPAPは,日中の眠気を自覚するOSA患者(日中の眠気により認知障害を来している患者を含む)の大半で選択すべき治療法である(4, 5)。この治療法の普及においては,人種的および社会経済的なバイアスがあるとの報告がある。

鼻,鼻と口,または顔面全体を覆うものなど,様々なCPAP装置がある。いずれも気圧差の維持に不可欠な密閉性を備えたクッションが付いている。クッションは膨張性のものもあれば,シリコン,スポンジ,またはゲルでできているものもある。フィット感および快適さは患者によって大きく異なるが,効果とアドヒアランスの両方を考慮して最適化する必要がある。

CPAPは上気道で虚脱する可能性のある部位に陽圧をかけることで,上気道の開存性を改善する。効果的な陽圧の範囲は,典型的には3~15cmH2Oである。必要な圧と重症度との間に相関はない。多くのCPAP装置が,CPAPの効果をモニタリングし,規定のアルゴリズムに従って圧を自動的に調整する。必要であれば,睡眠ポリグラフ検査によるモニタリングを参考にして,手動で圧を調節してもよい。

AHIの減少は治療の1つの目標ではあるが,CPAPはAHIの改善にかかわらず認知障害を低減し生活の質を改善する。CPAPは血圧を下げる可能性もある。CPAPから離脱すると,数日にわたって症状が再発するが,急性病態に対する治療のための短期的な中断は通常よく耐えられる。治療期間は確立されていない。

臨床的に明らかな改善がみられなければ,CPAPのアドヒアランスを確認し,また患者に別の睡眠障害(例,上気道閉塞)または合併症がないか再評価すべきである。鼻中隔弯曲または鼻茸がある患者では,鼻の手術を行うことでCPAPの効果が高まる可能性があるが,OSAを「治せる」とは限らない。

経鼻的CPAPの有害作用としては,サイズの合わないマスクによる不快感,乾燥や鼻の刺激感(加温加湿した空気の使用で軽減できることがある)などがある。ただし,新しいデザインのマスクでは,快適性と使いやすさが改善されている。

アドヒアランスは多くの人にとって困難であり,眠気のない患者ではより低い。CPAPの長期使用に対するアドヒアランスを示すのは患者全体の約50%である。アドヒアランスの改善には,装置の使用に対する前向きな姿勢を培うとともに,あらゆる問題,特にマスクの密着性に早期から注意を払うこと,そして献身的な介護者による綿密なフォローアップを行い,プライマリケア医による強化を行うことが有用である。また,呼吸に関連する覚醒閾値が低い(すなわち,覚醒しやすい)ために覚醒の増加や呼吸の不規則化の傾向が高い非肥満患者では,長期的CPAPのアドヒアランスが低いことを認識し,対応を講じる必要がある。

たとえアドヒアランスが十分であっても,患者因子が変化すると(例,体重増加,鼻閉の発生),結果が満足のいかないものになる可能性がある。

肥満低換気症候群を併発している患者では,1回換気量を増やすために,吸気補助(二相性陽圧換気[bilevel positive airway pressure])を用いてCPAPの機能を増強できる。

口腔内装置

口腔内装置は,下顎を前出させる,あるいは少なくとも睡眠中の下顎後退および舌の逸脱を予防するように設計されている(6, 7, 8)。舌を前方に引き出すよう設計された装置もある。これらの装置は現在,いびきおよび軽度から中等度のOSAの治療の主流と考えられている。軽度から中等度のOSAでこのような装置とCPAPを比較したところ同等の有効性が示されているが,費用対効果の研究では,交換やフォローアップの費用よりも主に初期制作コストに照準が置かれている。

手術

上気道閉塞に寄与している扁桃肥大や鼻茸などの解剖学的因子を矯正するための外科的手技(anatomic procedure[解剖学的手技]と呼ばれる)を考慮すべきである(8, 9)。巨舌症または小顎症に対する手術も選択肢の1つである。特定の解剖学的狭窄が同定されれば,手術が第1選択の治療となる。しかしながら,狭窄がない場合について手術を第1選択の治療として支持するエビデンスは乏しい。

口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP)はかつて最も頻用されていた術式であった。この術式では咽頭組織を切除する。現在では,UPPPに代わって,発語と嚥下に影響を与えるリスクを伴わず咽頭側壁の安定化または鼻咽腔領域の拡大を試みる,より侵襲性の低いアプローチが主流になっている。CPAPを手術までのつなぎの治療として用いた1つの研究で,UPPPがCPAPと同等の効果をもつことが証明されたが,これらの介入の直接的な比較は行われていない。重度肥満患者や解剖学的な気道狭小化がある患者では,結果はより予測しにくい。この術式により周囲に迷惑を与えるいびきを減らせる可能性があるが,無呼吸エピソードについては(静かにはなるものの),その重症度は術前と変わらない可能性がある。

その他の術式としては,舌正中切除術,舌骨前方移動術,上下顎前方移動術などがある。上下顎前方移動術は,軟部組織アプローチで治癒が得られない場合の第2段階の術式の1つとして,ときに提案される。至適な多段階アプローチは不明である。

気管切開は,OSAに対する最も効果的な治療法であるが,最後の手段として行われる。これは閉塞部位をバイパスする手技であり,最重症の患者(例,肺性心を来した患者)で適応となる。

上気道刺激

植込み型機器を用いて舌下神経の分枝を刺激する上気道刺激(10, 11)では,舌を突き出す筋肉および気道開通を助けるその他の筋肉を活性化することができる。この治療法は現在の主流であり,中等症から重症の選択された患者で成功を収めている。これは主に,CPAP療法に耐えられない患者と口腔内装置が無効な患者に用いられる。上下顎前方移動術が検討されている患者でも,この手技が試みられることがある。これらの選択された患者の約65%で1時間当たりのAHIが10回未満に改善するが,1時間当たりのAHIが20回未満にならなくても症状は改善する可能性がある。

補助的治療

ときに様々な補助的治療が用いられるが,OSAに対する有益性は証明されていない。

酸素投与は血液の酸素化を改善し,上気道手術に反応しなかった患者のAHIおよび覚醒指数を低下させる可能性があるが(12),有益な臨床効果が得られるのは主にループゲイン(初回エピソード後に無呼吸または低呼吸を繰り返す傾向)の高い患者であり,効果の予測は困難である。また,酸素は呼吸性アシドーシスおよび朝の頭痛を引き起こすことがある。

OSAに併う過度の眠気,または治療を受けた患者の20%に残存する眠気に対処するため,覚醒作用のある薬剤(例,モダフィニル,solriamfetol)を使用してもよい(13, 14, 15)。

他のいくつかの薬剤(例,三環系抗うつ薬,テオフィリン,ドロナビノール,アトモキセチン+オキシブチニンの併用)が試されている(16)が,使用経験が限られている,治療係数が低い,結果の再現性に欠ける,十分な試験が行われていないといった理由から推奨はできない。睡眠時無呼吸症候群の病型を判定する方法が改良されれば,こうした治療への患者候補をよりうまく選別できるようになる可能性がある。

筋力および筋緊張の改善が睡眠中の気道開存性の改善に役立つ可能性があるという理論に基づき,上気道筋の運動(筋機能療法)が提唱されている(17)。AHIと症状を軽減すると思われるいくつかの運動があり,しかも非侵襲的かつ有害作用がない点で特に注目に値する。しかしながら,このアプローチはまだ推奨の主流にはなっておらず,その理由は,提案されている手法が多岐にわたり,その作用機序および効力が不明確であることに加えて,アドヒアランスに伴う実際的な困難が大きいためである。

いびき用にOTC医薬品として販売されている鼻腔拡張用具や喉スプレーは,OSAにおける価値を証明するには研究が不十分である。

レーザーを用いた口蓋垂形成術,口蓋垂用のスプリント,およびラジオ波による組織焼灼は,OSAを伴わない患者のいびきの治療に使用されている。これらによりいびきの音量は一時的に小さくなる可能性があるが,OSAの治療における効果は予測不可能かつ非持続的である。

患者の教育および支援

患者および家族は説明を受けて,気管切開を含むOSAの治療戦略にうまく取り組むことができる。患者支援団体は,有益な情報を提供し,時宜を得た治療およびフォローアップを効果的に支援する。現在,患者支援団体と管理用のデジタル支援ツールの役割について,体系的な調査が行われている(18)。

治療に関する参考文献

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  2. 2.Joosten SA, Hamilton GS, Naughton MT: Impact of weight loss management in OSA.Chest 152(1):194-203, 2017.doi: 10.1016/j.chest.2017.01.027

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  15. 15.Hirshkowitz M, Black JE, Wesnes K, et al: Adjunct armodafinil improves wakefulness and memory in obstructive sleep apnea/hypopnea syndrome. Respir Med 101(3):616-627, 2007.doi:10.1016/j.rmed.2006.06.007

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要点

  • 肥満,上気道の解剖学的異常,家族歴,特定の疾患(例,甲状腺機能低下症,脳卒中),およびアルコール摂取または鎮静薬の使用は,閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)のリスクを高める。

  • 典型的に,患者にはいびきがあり,睡眠は疲れが取れず休息感がなく,またしばしば日中の眠気および疲労を感じる。

  • いびきがみられる個人の大半はOSAではない。

  • OSA患者に発生する頻度が比較的高い疾患には,高血圧,脳卒中,糖尿病,胃食道逆流症,非アルコール性脂肪肝炎,夜間狭心症,心不全,および心房細動またはその他の不整脈などがある。

  • 診断の確定は睡眠ポリグラフ検査により行い,合併症のない睡眠時無呼吸症候群の場合は自宅での睡眠検査を用いることができる。

  • 是正可能な危険因子を管理し,大半の患者を持続陽圧呼吸療法および/または気道を開通するよう設計された口腔内装置により治療する。

  • 気道狭窄を引き起こす異常がある場合,または難治性の場合は手術を考慮する。

より詳細な情報

有用となりうる英語の資料を以下に示す。ただし,本マニュアルはこれらの資料の内容について責任を負わないことに留意されたい。

  1. Lee JJ, Sundar KM: Evaluation and management of adults with obstructive sleep apnea syndrome.Lung 199(2):87-101, 2021.doi: 10.1007/s00408-021-00426-w

  1. STOP-Bang Questionnaire: General information about sleep apnea and information about the STOP-Bang tool

  2. American Thoracic Society: What is Obstructive Sleep Apnea in Adults?: Two page OSA summary for patients that includes action steps

  3. American Academy of Sleep Medicine: Detailed patient information explaining the importance of healthy sleep and treatment options for sleep disorders

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