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拡張型心筋症または肥大型心筋症(心筋症の概要を参照)は,いくつかの種類の不整脈(徐脈性不整脈,心房性および心室性頻拍性不整脈,突然死など)を生じやすくする素因を心臓や全身にもたらす可能性があるが,特定の心筋症は特にその傾向が強い。これらは不整脈源性心筋症と呼ばれ,具体的には以下のものがある:
心筋緻密化障害(non-compaction cardiomyopathy)
これらの疾患の一部には遺伝的原因があり,それは典型的には親から受け継ぐものであるが,ときに後天性の突然変異であることもある。
不整脈源性心筋症の症候はこの病態に固有のものではなく,徐脈性および頻拍性不整脈の症候とともに,心不全自体の症候を含んでいる。心不全の臨床像としては,呼吸困難および/または疲労に起因する労作不耐,起座呼吸,末梢浮腫などがある。不整脈は動悸,ふらつき,失神,心停止,および突然死を引き起こすことがある。
評価は典型的には家族歴,心電図検査,胸部X線,心エコー検査,心臓MRIによる。特定の種類の不整脈源性心筋症が疑われる場合は,加算平均心電図検査,運動負荷試験,自由行動下心電図モニタリング,胸部CT,心臓電気生理検査,血管造影,心内膜心筋生検など,他の検査の適応になることもある。遺伝的原因があると疑われる場合には,通常,遺伝子検査を行う;診断が確定した症例の第1度近親者には,臨床的にスクリーニングを行うべきであり,変異が特定されている場合には遺伝子検査を行うべきである。
管理は心筋症の原因および不整脈の種類によって異なるが,典型的には心不全に対する標準治療(場合によっては心臓移植を含む),抗不整脈薬などのほか,ときに植込み型除細動器(ICD)が用いられる。
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