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腎性糖尿は,高血糖を伴わずに尿中にグルコースが認められる病態であり,グルコース輸送における後天性または遺伝性の単独の欠陥に起因するか,その他の尿細管疾患に伴って発生する。
腎性糖尿では,正常な血漿血糖値の存在下にグルコースが尿中に排泄される。
腎性糖尿は遺伝する可能性がある。この病型は,通常グルコース最大輸送量(グルコースを再吸収できる最大速度)の減少と,それに続いて起こる尿中へのグルコース漏出が関与する。遺伝性の場合は通常,不完全潜性(劣性)の形質として遺伝する(ヘテロ接合体である程度の糖尿がみられる)。
腎性糖尿は,腎機能のその他の異常を伴わずに起こるか,または近位尿細管機能の広範な欠陥の一部として起こる場合がある(ファンコニ症候群)。また,種々の全身性疾患に併発することがあり,これには,シスチン症,ウィルソン病,遺伝性チロシン血症,眼脳腎症候群(Lowe症候群)がある。
腎性糖尿の症状と徴候
腎性糖尿は無症候性で,重篤な続発症もない。しかしながら,近位尿細管機能に広範な欠陥を伴っている場合には,症候として低リン血症性くる病,体液量減少,低身長,筋緊張低下,白内障または緑内障の眼変化(眼脳腎症候群)またはカイザー-フライシャー輪(ウィルソン病)などがみられる場合がある。このような所見が認められる場合は,糖尿以外の輸送障害を検索すべきである。
腎性糖尿の診断
尿検査
本疾患は,典型的にはルーチンの尿検査で気づかれ,高血糖が存在しない状況(血清血糖値140mg/dL未満)で尿糖がみられる場合と定義されている。
一部の専門家は診断をする上で経口ブドウ糖負荷試験の結果が正常であることを要求する。
腎性糖尿の治療
治療は不要
散発性腎性糖尿は良性であり,治療は必要ない。
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