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髄質海綿腎は,腎杯周囲の集合管末端における異常に起因するびまん性の両側性髄質嚢胞の形成である。
(嚢胞性腎疾患の概要も参照のこと。)
髄質海綿腎の原因は不明であるが,5%未満の症例では遺伝がみられる。
大半の患者では症状がみられず,通常は診断に至らない。結石形成(しばしば尿中カルシウム排泄量の増加を伴う)および尿路感染症(UTI)の素因であり,そのため頻度の高い主症状は以下のものである:
髄質海綿腎は良性であり,長期予後は良好である。腎結石による閉塞が一時的な糸球体濾過量(GFR)低下および血清クレアチニン上昇をもたらす場合がある。
髄質海綿腎の診断
CTまたは排泄性尿路造影
診断は,再発性結石またはUTIを呈する患者で疑われるか,腎髄質石灰化や造影剤が充満した集合管の拡張などの偶然検出されたX線所見に基づく。症候性多尿を呈していない患者では,尿検査により典型的には不完全な遠位尿細管性アシドーシス(顕性の代謝性アシドーシスはまれ)と尿濃縮能低下の所見が認められる。
腎髄質石灰化を示した単純CT冠状断像
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診断は一般にCTで確定されるが,排泄性尿路造影も用いることができる。嚢胞は小さく,髄質の深部にあるため,超音波検査は助けとならない。
髄質海綿腎の治療
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