リドル症候群

執筆者:L. Aimee Hechanova, MD, Texas Tech University Health Sciences Center, El Paso
レビュー/改訂 2022年 5月
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リドル症候群は,上皮型ナトリウムチャネル(ENaC)の活動性が亢進する結果として,腎臓においてカリウムが排泄される一方,ナトリウムと水が過剰に保持されるために高血圧を来す,まれな遺伝性疾患である。症状は,高血圧,体液貯留,代謝性アルカローシスである。診断は尿中電解質の測定による。カリウム保持性利尿薬による治療が最善である。

リドル症候群は,腎上皮の輸送に異常を来すまれな常染色体顕性遺伝(優性遺伝)疾患であり,臨床的には原発性アルドステロン症に類似し,高血圧と低カリウム性代謝性アルカローシスを伴い,レニンおよびアルドステロンの血漿中濃度は低くなる。本症候群は集合管の管腔粘膜にある上皮型ナトリウムチャネル(ENaC)の遺伝的な活動亢進に起因し,その結果,ナトリウム再吸収とカリウム分泌が促進する(ENaCの活性低下はナトリウム排泄とカリウム保持につながる―偽性低アルドステロン症I型を参照)。

リドル症候群の患者は,35歳未満で発症する。高血圧ならびに低カリウム血症および代謝性アルカローシスの症状と徴候が発生する。

リドル症候群の診断

  • 尿中ナトリウム濃度

  • 血漿レニンおよびアルドステロン濃度

診断は若年患者,特に家族歴が陽性の患者での高血圧の存在により示唆される。尿中ナトリウム低値(20mEqまたは20mmol/L未満),血漿レニンおよびアルドステロン濃度低値,経験的治療に対する反応は,通常診断を確定する上で十分とされる。確定診断は遺伝子検査により可能である(詳細はGeneTestsを参照)

リドル症候群の治療

  • トリアムテレンまたはアミロライド(amiloride)

トリアムテレン100~200mg,経口,1日2回とアミロライド(amiloride)5~20mg,経口,1日1回は,ナトリウムチャネルを遮断する作用があるため,ともに効果的である。スピロノラクトンは無効である。

より詳細な情報

有用となりうる英語の資料を以下に示す。ただし,本マニュアルはこの資料の内容について責任を負わないことに留意されたい。

  1. GTR: Genetic Testing Registry: This central location for genetic test data includes information on the purpose, validity, and usefulness of those tests, which are grouped by helpful search categories (eg, human tests, microbe tests, conditions/phenotypes).

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