血管造影検査(アンギオグラフィー)とはどのような検査ですか?
「アンギオ」は血管を意味する医学の言葉で、「グラフィー」は写真と関係があります。つまり、血管造影検査はあなたの血管の写真をとる検査です。X線を使って写真をとります。とった写真を血管造影画像といいます。
医師はふつう、調べたい部分の1~2本の血管の写真だけをとればよく、すべての血管の写真をとる必要はありません。写真をとるために、医師は針を使ってカテーテル(細くてやわらかい管)を調べたい部分の近くの血管に入れます。その後、カテーテルから液体(造影剤といいます)を注入します。造影剤はX線画像(ビデオや写真)に写るため、血管の内側の形を写し出します。画像から、血液がどれくらいよく流れているかや、血管に異常があるかどうかが分かります。
医師はふつう、鼠径部か腕に小さな切り口を作り、そこからカテーテルを入れます。
血管造影検査は、血管に異常がないかを調べるために行われます。
血管造影検査のときに、医師が血管に見つかった異常を治療することもあります。
私はなぜ血管造影検査を受けなければいけないのですか?
血管造影検査では、どのようなことをしますか?
この検査にかかる時間は、医師がどの血管を調べたいかによって、1時間より短いこともあれば、長ければ数時間かかることもあります。
検査の前
医師はふつう、検査前の12時間は食べたり飲んだりしないように指示します。
検査中
気分をリラックスさせるが、眠らせはしない薬が使われます。
医師は、小さく切り口を作る場所(ふつうは鼠径部、場合によっては腕)に麻酔の注射をします。
その切り口にカテーテルを入れて、調べたい血管まで進めていきます。
カテーテルを通して造影剤を注入します。
造影剤が血管に流れているときに、X線装置で写真をとります。
検査中に、医師はあなたに深く息を吸ったり、息を止めたり、せきをしたりするように指示することもあります。
検査の後
医師はカテーテルをぬき取り、切り口を押さえて出血しないようにします。数時間横になっている必要があるかもしれません。1日入院が必要になることもあります。医師から、静かに休んで水分を多く飲むように指示されることがあります。
血管造影検査を受けることには、どのような危険性がありますか?
放射線
血管造影検査では、単純X線検査よりも多く放射線を浴びます。医師は、検査を受ける人が一生で浴びる放射線の合計の量を抑えようとします。放射線を浴びすぎると、がんになる可能性が高くなります。
そのほかの問題
針が少し痛いかもしれません。
造影剤を注入したときに不快な感じがする人もいます。
造影剤に対してアレルギー反応(くしゃみ、発疹、呼吸が苦しくなるなど)が起こる人もいます。
腎臓の異常(腎不全など)がある場合、造影剤によってその異常が悪化することがあります。
医師がカテーテルを体に入れた部分が出血したり、感染したり、痛かったりすることがあります。