殺虫剤(農薬)は、虫を殺すために使われる物質です。殺虫剤に含まれる毒(毒素)によって、具合が悪くなる可能性があります。
殺虫剤中毒とは何ですか?
殺虫剤中毒とは、殺虫剤を飲み込んだり、吸いこんだり、殺虫剤にふれすぎたりすることによって起きる病気です。
服や皮膚に殺虫剤が多くつきすぎた場合は、すぐに服をぬいで皮膚を洗い流してください。
せきが出たり、呼吸に異常が起きたりすることがあります。
医師は、血液中に殺虫剤の成分がないか確認するために、血液のサンプルを取ることがあります。
殺虫剤中毒の治療に使える薬がいくつかあります。
自分やほかのだれかが殺虫剤中毒かもしれない場合は、電話で救急車を呼ぶ(日本では119番、アメリカのほとんどの地域では911番)か、中毒情報センターに電話してアドバイスをもらってください(アメリカでは1-800-222-1222【訳注:日本では(公財)日本中毒情報センターが電話による無料情報サービスを提供しています。大阪072-727-2499、つくば029-852-9999、https://www.j-poison-ic.jp】)。世界保健機関(WHO)は、世界のセンターの連絡先を提供しています。
殺虫剤中毒にはどのような症状がありますか?
症状は、中毒を起こした殺虫剤の種類によって異なります。殺虫剤には、大きく分けて次の2種類があります:
有機リン系とカーバメート系
ピレトリン系
有機リン系とカーバメート系は、次の症状を引き起こすことがあります:
涙目またはかすみ目
汗をかく
口の中に唾液(つば)が出すぎる
せきが出る
嘔吐
便や尿の回数が増える
心拍数の異常
呼吸が苦しい
ピレトリン系はたいてい、人間への毒はそれほど強くありません。ピレトリン中毒には次のような症状があります:
くしゃみ
涙目
せき
場合により、呼吸が苦しい
医師はどのようにして、私が殺虫剤で中毒を起こしたかどうかを判断しますか?
医師は、あなたの症状と、何が起きたかの説明から、殺虫剤中毒ではないかと疑います。検査で血液に殺虫剤の成分がないか調べることもあります。
医師は殺虫剤中毒をどのように治療しますか?
医師は、殺虫剤がついた服をすべて脱がせ、皮膚を洗います。医師は、中毒を起こした殺虫剤の種類に応じて、症状に対する薬を与えます。