植物中毒とは何ですか?
植物には、有害な化学物質(毒素)が自然に含まれている種類のものがあります。また、農薬をまくことで植物が有毒になってしまうこともあります。
よくみられる植物の中にも、食べると毒になるものがあります。
外で見つけたよく知らない植物は食べないようにしましょう。
果物や野菜は食べる前に必ず洗い、農薬や化学物質を取り除いてください。
植物中毒で人が死ぬこともありますが、ほとんどの人は回復します。
自分やほかのだれかが毒のある植物を食べたかもしれず、具合がとても悪そうにみえる場合は、電話で救急車を呼ぶ(日本では119番、アメリカのほとんどの地域では911番)か、中毒情報センターに電話してアドバイスをもらってください(アメリカでは1-800-222-1222【訳注:日本では(公財)日本中毒情報センターが電話による無料情報サービスを提供しています。大阪072-727-2499、つくば029-852-9999、https://www.j-poison-ic.jp】)。世界保健機関(WHO)は、世界のセンターの連絡先を提供しています。
中毒を起こす植物にはどのようなものがありますか?
次のような植物にはとても強い毒があり、人が死んでしまうことがあります:
トウゴマの実
トウアズキの実
ドクニンジン
ドクゼリ
キョウチクトウ
キツネノテブクロ
ほかにもそれほど深刻ではない中毒を引き起こす植物がたくさんあります。
植物中毒にはどのような症状がありますか?
トウゴマの実、トウアズキの実、ドクゼリは、次の症状を引き起こすことがあります:
はげしい嘔吐
血が混じることもある下痢(便が何度も出たり、ゆるかったり、水っぽかったりする)
混乱
けいれん発作(体がビクビクと勝手に動いて、自分でコントロールできない状態)
昏睡(意識がなく、起こそうとしても目が覚めない状態)
死亡
ドクニンジン中毒は、15分以内に次の症状を引き起こすことがあります:
口が渇く
心拍が速くなる
体が勝手にふるえる(振戦)
汗をかく
けいれん発作
筋肉に力が入らない
キョウチクトウ、キツネノテブクロ、スズラン(あまり毒は強くありません)は、次の症状を引き起こします:
嘔吐
下痢(便が何度も出たり、ゆるい便や水っぽい便が出たりする)
混乱
心拍の異常
医師は植物中毒をどのように治療しますか?
治療法は、中毒を起こした植物によって異なります。
医師は次のことをします:
水分をたくさん飲ませる
飲みものを飲んでも吐いてしまう場合は、輸液(静脈から水分を補給)する
必要なら、鼻か口から通した細いチューブで胃を空にする
毒の種類に応じて決まった治療をする
植物の毒素で皮膚が刺激された場合は、石けんと水で皮膚を洗う