青年期は、子どもが自立した成人へと成長する時期です。ふつうは10才頃から始まり、10代後半から20代前半まで続きます。しかし、ほとんどの人は青年期を10代と考えています。
青年期には、身体の面でも、精神の面でも、情緒の面でも、たくさんの変化が起こります。青年は、大人としてどのような人になろうとしているのかを見つけ出そうとしています。成長するにつれて、少しずつ大人のようにふるまう時間が増え、子どものようにふるまう時間が減っていきます。
青年期にはどのような行動面の問題がみられますか?
多くの青年は、車でスピードを出し過ぎたり、お酒を飲んだりするなど、危険な行動を試みます。ときどき判断を誤ることは、専門家の助けを必要とする深刻な不正行為とは異なります。危険な行動を青年が頻繁に行ったとき、それが行動面での問題になります。あるいは、誰かをひどく傷つけたり、けんかで武器を使うなど、非常に深刻なことをすると、それは行動面での問題になります。
青年期にみられる行動面の主な問題には次のものがあります:
お酒を飲んだり薬物を使ったりする
避妊をしなかったり、性感染症(STIやSTDともいわれます)にかからないような対策をとらないままで危険な性行為をする
宿題をしなくなり、成績が悪くなる
けんかやいじめをする
自分を傷つける
盗みをはたらく
学校をさぼる
家出する
ギャングの一員になる
青年にはなぜ行動面の問題が起こるのですか?
青年期は自立心が発達する時期です。青年は、ルールに疑問を投げかけることで自分たちが自立していることを示したいのかもしれません。ときどきルールを破ります。脳が十分に成熟していないため、まちがったことをし、自分の正しくない行動をやめるのに苦労している可能性があります。
青年は、自分の人生をコントロールしているのは自分自身だと感じたいために、ルールに疑問を投げかけたり、ルールを破ったりする可能性があります。
青年はより自立することを学びつつありますが、まだ親の導きが必要です。
親から愛情を受け支えられていると感じている青年は、危険な行動をとる可能性が低くなります。
医師は、何が正常な行動で、何が行動面の問題なのかあなたが判断するのを助けることができ、また、問題を引き起こしているのが学習障害や心の健康の問題であったときに医師にはそれが分かります。
行動面に問題のある青年には、薬物乱用の治療やカウンセリングなどの専門家の助けが必要です。
青年期における行動面の問題はどうすれば予防できますか?
コンピュータゲームや映画など、テレビで流れている暴力シーンを見るのを制限する
青年に、どのように振舞うことをあなたが期待しているかを明確に伝える
着ている服やヘアスタイル、どんな音楽を聴いているかなど、青年の自己表現を制御しようとするのではなく、青年の行動に焦点を合わせる
権限付与型の子育ての方法(よい行動は奨励し悪い行動には反対する子育て)を用いる
権限付与型の子育てとはどのようなものですか?
権限付与型の子育てとは、青年に対して制限は設けるものの、青年の態度や行動、発言などを包括的に考慮することなしにすべての決定は下さないという子育ての方法です:
まずは青年に皿洗いなどの家庭内の仕事を少し任せつつ、着る服を選んだり自分好みの部屋にしたりする自由を与えます。
よい行為に対しては、少しずつ責任と自由(車を使ったり、友達と外出したりする)を増やすことで報いるようにします。
青年が悪い選択をしたり、その責任をまだ果たせないことが分かった場合には、権限を取り上げます。
青年が同意したルールを確実に守るよう、行動を注意して見守ります。