推奨されている小児期の予防接種スケジュールは、どのようなものですか？
以下のスケジュールは、米国小児科学会と米国疾病予防管理センターが推奨しているスケジュール（乳児および小児の予防接種スケジュール［Immunization Schedules for Infants and Children］を参照）に基づいています。
子どもが受ける必要のあるワクチン、受けられる年齢、接種の回数を示しています。
このスケジュールは、子どもが特定の感染症にかかる可能性が出始めてから、そのワクチンを接種できるように設計されています。
子どもが病気のときにワクチンを接種できますか？
ふつうのかぜのような軽い感染症で微熱があっても、子どもはワクチンを接種することができます。その場合の決定をするときは、お子さんのかかりつけ医が助けてくれます。
特定のワクチンの接種をおくらせたり、飛ばしたりすることができますか？
推奨されたスケジュールに従わないと、お子さんが特定の感染症にかかる可能性が高くなります。しかし、ふつうは、わずかなおくれがあっても、お子さんに害が及ぶことはなく、1回目の接種からやり直しになることもありません。推奨されるスケジュールについて心配がある場合は、お子さんのかかりつけ医に相談してください。
以下に加えて、CDCは5歳以上の人にCOVID-19ワクチン接種 を勧めています（小児と10代の若者に対するCOVID-19ワクチン接種［COVID-19 Vaccines for Children and Teens］を参照）。
乳児、小児、青年のための定期予防接種
予防できる感染症から乳児、小児、青年を守るために、推奨されている予防接種スケジュールに従うことが大切です。以下のスケジュールは、米国小児科学会（AAP）および米国疾病予防管理センター（CDC）が推奨しているスケジュール（乳児・小児［出生時からから6歳まで］向けCDCスケジュール［CDC schedule for infants and children [birth through 6 years]］および年長児［7～18歳］向けCDCスケジュール［CDC schedule for older children [7 to 18 years old]］も参照）に基づいています。どのワクチンを何歳で何回接種すべきかを下に示しています（印の数字で示す）。 多くの予防接種には、接種の許容年齢が決められています。小児のかかりつけ医は、小児の健康状態とその他の状況に応じてその子に適した時期を勧めてくれます。小児が受ける予防接種の回数を減らすため、混合ワクチンもよく使われます。小児がスケジュールに従って予防接種を受けていない場合、遅れを取り戻すための接種（キャッチアップ接種）が勧められ、親はその接種について知るために医療機関や保健所に相談するべきです。予防接種後に何らかの副反応がみられた場合は、かかりつけ医に報告する必要があります。 このスケジュールやほかの予防接種スケジュールの詳しい情報については、医師に尋ねるか、米国疾病予防管理センターのワクチンと予防接種のウェブサイトを見てください。 |
[a]B型肝炎ワクチン：このワクチンは、ほとんどの新生児に退院前に接種されます。1回目の接種を一般的に出生時に行い、2回目を生後1～2カ月、3回目を生後6～18カ月の時点で接種します。出生時に接種を受けなかった乳児は、できるだけ早く接種を開始する必要があります。 |
[b] ロタウイルスワクチン：使用するワクチンにより、2回または3回のワクチン接種が必要です。米国では、一方のワクチンの場合、1回目の接種を生後2カ月、2回目を生後4カ月の時点で行います。米国では、もう一方のワクチンの場合、1回目の接種を生後2カ月、2回目を生後4カ月、3回目を生後6カ月の時点で行います。 |
[c] インフルエンザ菌b型（Hib）ワクチン：使用するワクチンによって、3回または4回のHibワクチンの接種が必要です。米国では、一方のワクチンの場合、1回目の接種を生後2カ月、2回目を生後4カ月、3回目を生後12～15カ月の時点で行います。米国では、もう一方のワクチンの場合、1回目の接種を生後2カ月、2回目を生後4カ月、3回目を生後6カ月、4回目を生後12～15カ月の時点で行います。 |
[d] ポリオワクチン：ワクチンを4回接種します。米国では、1回目の接種を生後2カ月、2回目を生後4カ月、3回目を生後6～18カ月、4回目を4～6歳の時点で行います。 |
[e] ジフテリア・破傷風・無細胞百日ぜき混合（DTaP）ワクチン：小児が7歳になる前にDTaPワクチンを接種します。DTaPワクチンは5回接種します。米国では、1回目の接種を生後2カ月、2回目を生後4カ月、3回目を生後6カ月、4回目を生後15～18カ月、5回目を4～6歳の時点で行います。 DTaPの後に、追加接種として、破傷風・ジフテリア・百日ぜき混合（Tdap）ワクチンを1回、11～12歳の時点で行います（上記のスケジュールの6番）。この接種の後、10年毎に破傷風・ジフテリア混合ワクチンまたはTdapワクチンの追加接種を行います。 |
[f] 肺炎球菌ワクチン：ワクチンを4回接種します。米国では、1回目の接種を生後2カ月、2回目を生後4カ月、3回目を生後6カ月、4回目を生後12～15カ月の時点で行います。 |
[g] 髄膜炎菌ワクチン：ワクチンを2回接種します。米国では、1回目の接種を11～12歳、2回目を16歳の時点で接種します（上記のスケジュールには記載されていません）。 |
[h] インフルエンザワクチン：インフルエンザワクチンは、生後6カ月から開始し、すべての小児が毎年受ける必要があります。2種類のワクチンが利用できます。年齢や他の要因に応じて、1回または2回の接種が必要です。ほとんどの小児では、必要な接種は1回のみです。生後6カ月から8歳までの小児で、接種回数が2回未満かインフルエンザの予防接種歴が不明な場合は、4週間以上の間隔を空けて2回接種する必要があります。 |
[i] 麻疹・ムンプス・風疹混合（MMR）ワクチン：ワクチンを2回接種します。米国では、1回目の接種を生後12～15カ月、2回目を4～6歳の時点で行います。 |
[j] 水痘（水ぼうそう）ワクチン：ワクチンを2回接種します。米国では、1回目の接種を生後12～15カ月、2回目を4～6歳の時点で行います。 |
[k] A型肝炎ワクチン：予防効果を保つためには、A型肝炎ワクチンは2回接種する必要があります。米国では、1回目の接種を生後12～23カ月、2回目を1回目の接種の6カ月後に行います。ワクチン接種を受けていない生後24カ月以上のすべての小児には、A型肝炎ワクチンを2回接種するべきです。 |
[l] ヒトパピローマウイルス（HPV）ワクチン：定期予防接種は、11～12歳の時点（9歳から開始可能）と、ワクチン未接種かワクチン接種が不十分な26歳までの人に推奨されます（上記のスケジュールには記載されていません）。ヒトパピローマウイルスワクチンは女児および男児に2回または3回接種します。接種回数は初回接種を何歳で受けるかによります。9歳から14歳までに初回接種を受ける場合は、5カ月以上の間隔を空けて2回接種します。15歳以上で初回接種を受ける場合は、3回接種します。初回接種から1カ月以上が経過した後に2回目の接種を行い、3回目を初回接種から5カ月以上が経過した後に行います。 |
小児用ワクチンについてのくわしい情報は、どこで教えてもらえますか？
米国疾病予防管理センター（Centers for Disease Control and Prevention［CDC］）：乳児、小児、青年向けのワクチンと予防接種スケジュールに関する情報
CDCの年齢別ワクチン（CDC vaccines by age）：出生時から18歳までの年齢別のワクチンに関する情報
