中絶ちゅうぜつ

中絶ちゅうぜつとは、薬くすりや手術しゅじゅつによって妊娠にんしんを終おわらせることです。

• 中絶ちゅうぜつの手術しゅじゅつは、米国べいこくで最もっとも多おおい手術しゅじゅつの1つです。

• 中絶ちゅうぜつは、訓練くんれんを受うけた医師いしが医療施設いりょうしせつで行おこなう場合ばあいにはとても安全あんぜんです。

• 中絶ちゅうぜつを行おこなう時期じきが妊娠にんしんの期間きかんで早はやければ早はやいほど、手術しゅじゅつは簡単かんたんで安全あんぜんです。

• 中絶ちゅうぜつは、訓練くんれんを受うけていない人ひとによって行おこなわれる場合ばあいには危険きけんです（たとえば、中絶ちゅうぜつが違法いほうである地域ちいきでの手術しゅじゅつ）。

• 中絶ちゅうぜつした後あとは、すぐに避妊ひにんを始はじめるべきです。

中絶ちゅうぜつには次つぎの2種類しゅるいがあります：

• 手術しゅじゅつを行おこなう（最もっとも多おおい）

• 薬くすりを用もちいる

手術しゅじゅつによる中絶ちゅうぜつでは、子宮しきゅうにいる胎児たいじを腟ちつから取とり出だします。おなかを切きることはありません。医師いしはふつう、吸引きゅういんする装置そうちを子宮頸部しきゅうけいぶ（子宮しきゅうへの入いり口ぐち）から入いれます。手術しゅじゅつによる中絶ちゅうぜつのことを、よく「頸管拡張けいかんかくちょう・内容ないよう除去じょきょ」といいます。

薬くすりによる中絶ちゅうぜつでは、医師いしは子宮しきゅうを収縮しゅうしゅくさせて胎児たいじを押おし出だすための薬くすりをあなたに出だします。

中絶ちゅうぜつの前まえに、医師いしは次つぎのことをします：

• あなたに話はなしかけ、診察しんさつして医学的いがくてきな問題もんだいがないか確認かくにんする

• 中絶ちゅうぜつの手順てじゅんを説明せつめいする

• カウンセリングで、あなたの妊娠にんしんについてほかに選えらべる選択肢せんたくしを助言じょげんする

• ふつうは超ちょう音波検査おんぱけんさをして、妊娠期間にんしんきかんの長ながさを調しらべる

• 血液検査けつえきけんさをする

この後あとすぐに中絶ちゅうぜつできるかもしれません。しかし、カウンセリングから中絶ちゅうぜつまでの間あいだに待機たいき期間きかんが必要ひつような州しゅうもあります。また、手術しゅじゅつによる中絶ちゅうぜつでは子宮頸部しきゅうけいぶを広ひろげるために1～2日かの治療ちりょうが必要ひつようになることがあります。この治療ちりょうが必要ひつようかどうかは、妊娠期間にんしんきかんの長ながさによって決きまります。

中絶ちゅうぜつの手術しゅじゅつはふつう、診療所しんりょうじょで行おこなわれます。

始はじめる前まえに、医師いしは次つぎのことをします：

• 感染症かんせんしょうを防ふせぐために、抗菌薬こうきんやくを投与とうよする

• 妊娠にんしんがかなり初はじめの時期じきでなければ、子宮頸部しきゅうけいぶを広ひろげる治療ちりょうをする

子宮頸部しきゅうけいぶを広ひろげることを拡張かくちょうといいます。それが頸管拡張けいかんかくちょう・内容ないよう除去じょきょの「拡張かくちょう」の部分ぶぶんです。子宮頸部しきゅうけいぶを広ひろげるために、医師いしは次つぎのことをする場合ばあいがあります：

• 飲のみ薬ぐすりまたは腟ちつに入いれる薬くすりを投与とうよする

• 小ちいさなものを子宮頸部しきゅうけいぶに入いれる

医師いしが子宮頸部しきゅうけいぶに入いれたものが水分すいぶんを吸収きゅうしゅうしてふくらみ、子宮頸部しきゅうけいぶが広ひろがります。これは数時間すうじかんでうまくいくこともありますが、1～2日かかかることもあります。

中絶ちゅうぜつを行おこなうには、医師いしは次つぎのことをします：

• 手術しゅじゅつされていることを感かんじないように、眠ねむくなる薬くすりを静脈じょうみゃくから与あたえる

• 腟ちつの内部ないぶの子宮頸部しきゅうけいぶのすぐ近ちかくの部分ぶぶんに麻酔ますいの薬くすりを注射ちゅうしゃする

• 細ほそくてやわらかい吸引きゅういんチューブを子宮頸部しきゅうけいぶから子宮しきゅうの中なかに入いれ、子宮しきゅうを空からにして妊娠にんしんを終おわらせる

• 場合ばあいによって、あなたの子宮しきゅうの中なかが空からになるように、金属きんぞくの器具きぐでかき出だす

医師いしが薬くすり（飲のみ薬ぐすり）による中絶ちゅうぜつを行おこなうのは、ふつうは妊娠にんしんの初はじめの9週間しゅうかんほどだけです。もっと後あとになると中絶ちゅうぜつは複雑ふくざつになり、ふつうは手術しゅじゅつによって行おこなわなければなりません。

妊娠にんしん9週しゅうより前まえに薬くすりによる中絶ちゅうぜつを行おこなう場合ばあい、ふつう、次つぎのことをします：

• 診療所しんりょうじょで薬くすりを飲のむ

• 1～2日後かごに、家いえでまた薬くすりを飲のむ

2回目かいめの薬くすりを飲のむために診療所しんりょうじょに戻もどることもあります。

この薬くすりによって子宮しきゅうが収縮しゅうしゅく（しぼり出だすような動うごき）します。おなかがしめつけられるように痛いたみ、吐はき気けがし、子宮しきゅうから中身なかみが出でてくるときに腟ちつから出血しゅっけつします。ふつうは、薬くすりを飲のんでから24～48時間じかん以内いないに妊娠にんしんが終おわります。

子宮しきゅうに何なにも残のこっていないことを確たしかめるために、ふつうはおよそ2週間後しゅうかんごに医師いしの診察しんさつを受うけます。

医療施設いりょうしせつで医師いしが行おこなう合法的ごうほうてきな中絶ちゅうぜつはとても安全あんぜんです。

• 死亡しぼうする女おんなの人ひとは10万人まんにんあたり1人ひとり未満みまんです。

• 深刻しんこくな問題もんだいが起おこる女おんなの人ひとは、100人にんあたり1人ひとり未満みまんです。

• 中絶ちゅうぜつをしても、将来しょうらい妊娠にんしんしたときに問題もんだいが起おこる可能性かのうせいは高たかくなりません。

中絶ちゅうぜつするよりも赤あかちゃんを出産しゅっさんするときのほうが、合併症がっぺいしょうが起おこる女おんなの人ひとは多おおいのです。ただし、避妊ひにんをするほうが中絶ちゅうぜつをするよりも安全あんぜんであることを、覚おぼえておく必要ひつようがあります。

中絶ちゅうぜつにより深刻しんこくな問題もんだいが起おこる場合ばあい、ふつうは中絶ちゅうぜつしてから最初さいしょの1週間しゅうかんに起おこります。中絶ちゅうぜつする時点じてんで妊娠にんしんが進すすんでいるほうが問題もんだいが発生はっせいすることが多おおくなります。深刻しんこくな問題もんだいには次つぎのものがあります：

• 中絶ちゅうぜつのときに使つかう器具きぐによって子宮しきゅうに穴あながあく、または子宮頸部しきゅうけいぶが裂さける

• たくさん出血しゅっけつする

• 子宮しきゅうの感染症かんせんしょうが起おこる

次つぎのことが起おこった場合ばあいには、もう一度いちど医師いしの診察しんさつを受うける必要ひつようがあります：

• 発熱はつねつ

• たくさん出血しゅっけつする

• 腹部ふくぶの痛いたみ（ただの月経痛げっけいつうのような痛いたみよりも強つよい）

感染症かんせんしょうを避さけるために、中絶ちゅうぜつしてから2週間しゅうかんは腟ちつの性交せいこうを控ひかえるようにします。