エボラウイルス感染症とマールブルグウイルス感染症とはどのような病気ですか?
エボラやマールブルグは、発熱や出血を引き起こす、まれなウイルス感染症です。どちらのウイルスも、ふつうは動物に感染し、人には感染しません。人に感染すると、命にかかわることがあります。
人に感染するウイルスは、おもに中央アフリカや西アフリカにみられます。
世界のそのほかの地域からの旅行者(医療従事者など)で、エボラウイルスに感染してアフリカからアメリカに帰国した人は少数です。
エボラウイルスやマールブルグウイルスは、人から人にとても簡単に広がり、感染している人や死体から、このウイルスに感染する可能性があります。
感染した人の皮膚や体液にさわると、これらのウイルスに感染する可能性があります。
症状としては、発熱、筋肉痛、頭痛や、後から現れるひどい嘔吐と皮膚の下への出血などがあります。
これらのウイルスは体の中に数週間とどまることができるので、回復には長い時間がかかります。
エボラウイルス感染症とマールブルグウイルス感染症の原因は何ですか?
エボラウイルスとマールブルグウイルスはふつう、中央アフリカと西アフリカに生息している動物に感染します。しかし、いったん人に感染すると、急速に広がる可能性があります。次の場合に人が感染する可能性があります:
感染した動物にさわったり食べたりした場合
感染した人にさわった場合
この感染症で死亡した人の体にさわった場合
このウイルスは、感染した人や動物のほぼすべての体液の中にいます。具体的には、血液、唾液、嘔吐したもの、尿、便、汗、母乳、精液などです。また、これらの体液のどれかで汚れた服や寝具類などにさわっても、感染することがあります。次のものに当てはまる場合は、危険性が高くなります:
医療従事者
感染した人の家族
葬式の準備中や開催中に死体にさわる人
エボラウイルス感染症とマールブルグウイルス感染症にはどのような症状がありますか?
最初に、次のような症状がみられます:
発熱、筋肉痛、頭痛
のどの痛み
数日以内にもっと具合が悪くなって、次の症状が現れることがあります:
おなかの痛み、ひどい嘔吐、下痢(ときどき血が混じる)で、これは脱水(体の水分が減りすぎた状態)につながることがあります。
皮膚の下への出血(紫色の斑点)、口や鼻、体の中の臓器からの出血
胸とおなかの発疹
混乱
昏睡(意識がなく、起こそうとしても目が覚めない状態)
発症から2週目に、回復し始めるか、臓器が働かなくなり死亡します。マールブルグウイルスよりも、エボラウイルスの方が死亡する可能性が高いです。
医師はどのようにして、私がエボラウイルス感染症やマールブルグウイルス感染症かどうかを判断しますか?
医師は、あなたが具合を悪くしていて、感染している人がいる場所にいるか、最近そのような場所に旅行していた場合、エボラウイルスまたはマールブルグウイルス感染症を疑います。確かめるために、医師は次のことをします:
血液検査
医師はエボラウイルス感染症とマールブルグウイルス感染症をどのように治療しますか?
エボラウイルス感染症やマールブルグウイルス感染症を治せる抗ウイルス薬はありません。現在、薬の開発が進められています。医師は次の方法でこの感染症を治療します:
脱水を予防するために、静脈から水分を補給する(輸液)
出血を遅らせたり、止めたりするのを助ける
痛みなどの症状を治療する
ほかの人に感染を広げないように、医師は防護服を着て、感染した人を慎重に隔離します。
エボラウイルス感染症とマールブルグウイルス感染症はどうすれば予防できますか?
いくつかのワクチンと抗ウイルス薬が開発されています。あるエボラワクチンが、2019年にアメリカの食品医薬品局によって承認されました。
エボラウイルスやマールブルグウイルスの感染が起きている地域では、あなたは次のようにするべきです:
野生動物、特にコウモリやサルにさわらないようにする
それらの動物の肉を(十分に加熱してなければ)食べない
あなたがエボラウイルスやマールブルグウイルスが流行している地域にいる場合は:
石けんと水で手をよく洗うか、アルコール入りの手指消毒剤を使って手をきれいにする
手ぶくろ、ガウン、マスクなどの防護具を着けていなければ、病気の人にはさわらない
なくなった人の体にさわらない
そのような地域に最近旅行した場合は、21日間、健康状態に注意して、症状が現れたらすぐに病院に行ってください。