がん治療の目標はどのようなものですか?
おもな目標は、がんを取り除くことです。これは、1種類の治療(手術など)で達成できることもあれば、たとえば手術と化学療法(がん細胞を破壊する薬)と放射線療法など、複数の治療の組み合わせで達成できることもあります。
がんを取り除くことができない場合、医師はがんを小さくし、楽にすごせるようにし、症状をやわらげて気分をよくなるようにすることを試みます。
がん治療は複雑で、医師やほかの医療専門家がチームとして協力します。このチームには、かかりつけ医、専門医、外科医、医師助手、放射線技師、看護師、ソーシャルワーカー、薬剤師などが含まれます。
医師は、それぞれのがんに最適な治療の種類(治療プロトコルと呼ばれます)を選択します。
医師はどのようにして、それぞれのがんに適切な治療法を選びますか?
医師は次のことを考えて、それぞれのがんに対して最適な治療法を判断します:
完全に治る(がんがなくなって、再発しない)可能性
余命が最も長く、生活が最も快適なものになる可能性
その治療が症状をどれくらい軽くすることができるか
治療の副作用
治療についてのその人の希望
さまざまな治療法の長所と短所について医師と相談してください。
治療プロトコルは、特定の種類のがんを治療するために医師たちが考えた標準的な方法です。このような治療法は、臨床試験という研究によって注意深く調べられてきたものです。臨床試験では、医師たちは新しい薬や治療と標準的な治療を比べて、その結果を新しい治療法の方が効果が高いかどうかを判断するために役立てます。がんをかかえる多くの人に、臨床試験に参加するチャンスが与えられます。臨床試験に参加するメリットとデメリットについて医師と相談してください。
医師はどのようにして、治療が効いているどうかを見分けますか?
医師は、がんとの戦いに治療がどのくらい効いているかを確かめます。治療中、医師は次の検査をすることがあります:
腫瘍が小さくなっているかどうかを調べるための画像検査(CT検査など)
血液中の腫瘍抗原(特定のがんの腫瘍マーカー)の量を確認する血液検査
治療ががんに効いていると、次のような状態になります:
寛解―がんが完全になくなる
部分奏効―腫瘍が以前の大きさの半分以下に小さくなる(このことによって症状がやわらいだり余命が延びることがあります)
再発―がんが完全になくなったけれども、後になってまた発生する