腎静脈血栓症じんじょうみゃくけっせんしょう

腎静脈血栓症じんじょうみゃくけっせんしょうとは、腎静脈じんじょうみゃく（腎臓じんぞうから血液けつえきを送おくり出だすおもな血管けっかん）に血ちのかたまり（血栓けっせん）ができてしまう病気びょうきです。

• 腎静脈血栓症じんじょうみゃくけっせんしょうでは、腎臓じんぞうが傷きずつくことがあります。

• 片方かたほうまたは両方りょうほうの腎臓じんぞうに起おこります。

• 症状しょうじょうとしては、胸むね、背中せなか、腰こしの痛いたみや、排尿はいにょうが少すくなくなることなどがあります。

• 医師いしは血ちのかたまりをとかす薬くすりを飲のませます。

腎静脈血栓症じんじょうみゃくけっせんしょうは、ふつうは次つぎのことによって引ひき起おこされます：

• ネフローゼ症候群しょうこうぐんなど一部いちぶの慢性まんせいの腎臓病じんぞうびょう

そのほかの原因げんいんとしては次つぎのものがあります：

• 腎臓じんぞうがん

• 血ちのかたまりを作つくる病気びょうき

• 全身性ぜんしんせいエリテマトーデス

• 鎌状赤血球症かまじょうせっけっきゅうしょう

• 糖尿病とうにょうびょう

• 女性じょせいホルモン療法りょうほうや経口避妊薬けいこうひにんやくなどでエストロゲンを使つかっていること

• アミロイドーシス

ふつうは、腎不全じんふぜんにならないかぎり、症状しょうじょうは現あらわれません。腎不全じんふぜんには次つぎのような症状しょうじょうがあります：

• 体からだに力ちからが入はいらず、疲つかれを感かんじる

• 吐はき気け

• いつもよりおなかが空すかない

• かゆみ

• 眠気ねむけや混乱こんらん

全身ぜんしんで血ちのかたまりが増ふえることによって血栓症けっせんしょうが引ひき起おこされた場合ばあい、次つぎのようなほかの臓器ぞうきに血栓けっせんによる症状しょうじょうが現あらわれることがあります：

• 肺はい：胸むねの痛いたみや息切いきぎれ

• 脳のう：筋肉きんにくに力ちからが入はいらないことや混乱こんらんなどの脳卒中のうそっちゅうの症状しょうじょう

• 脚あし：脚あしのむくみや痛いたみ

腎静脈血栓症じんじょうみゃくけっせんしょうかどうかを調しらべるために、医師いしは次つぎの検査けんさをすることがあります：

• MRアンギオグラフィー検査けんさ（血管けっかんに焦点しょうてんをあてたMRI検査けんさ）

• CT血管造影けっかんぞうえい検査けんさ（血管けっかんに焦点しょうてんをあてたCT検査けんさ）

• 超ちょう音波検査おんぱけんさ

また、医師いしは血液検査けつえきけんさや尿検査にょうけんさをして、腎臓じんぞうのダメージの徴候ちょうこうや血栓症けっせんしょうのほかの原因げんいんがないかを調しらべます。

医師いしは、腎静脈血栓症じんじょうみゃくけっせんしょうの原因げんいんを治療ちりょうします。たいてい医師いしは次つぎの薬くすりを使つかいます：

• 抗凝固薬こうぎょうこやく（血液けつえきをサラサラにする薬くすり）

ときには、カテーテルを使つかって腎静脈じんじょうみゃくから血ちのかたまりを取とり除のぞいたり、血ちのかたまりをとかす薬くすりを使つかったりします。