尿失禁とは何ですか?
尿失禁とは、したいと思っていないときに尿が出てしまうことです。
尿失禁には、尿が少しだけもれる場合もあれば、たくさんもれる場合もあります
尿失禁は、時間に関係なく起きる場合もあれば、夜にだけ起きる場合や、せきやくしゃみをしたときにだけ起きる場合もあります
尿失禁は高齢の人で多く起こり、特に高齢の女性で多いですが、年をとることで起きる正常な変化ではありません。
尿失禁について、私はどんなときに病院に行けばいいですか?
尿失禁があり、次のような脊髄へのダメージの注意すべき徴候がみられたら、すぐに病院に行ってください:
脚に力が入らない
脚や、性器や肛門の周りの感覚がない
尿失禁があり、このような注意すべき徴候がない場合は、医師に電話してください。医師は、ほかの症状から、どれくらいすぐに受診するべきかを判断します。
尿失禁について医師と話すのをはずかしく思ったり、尿失禁が年をとることで起きる正常な変化だと思ったりする人もいますが、それはまちがいです。尿失禁があなたにとってわずらわしい場合や、尿失禁が日常生活のさまたげになっている場合や、尿失禁のせいで人と会う場所に行かないようになっている場合は、医師にみてもらうべきです。
成人の尿失禁の原因は何ですか?
尿失禁の原因としては次のものがあります:
膀胱から尿が出ないようにする筋肉の力が弱くなる(出産後の女性や前立腺がんの手術を受けた後の男性に起こります)
膀胱のつまり(たとえば腎結石や大きくなった前立腺などによる)によって膀胱が満杯のままになってあふれる
膀胱の筋肉のけいれん
膀胱をコントロールする神経の異常(神経因性膀胱)
ときには、何かの問題があってトイレに行くのが難しくなっているという理由から、尿失禁が起きている場合もあります。脳卒中や認知症になったことがある人は、自分でトイレに行くのが難しい場合があります。
水分をたくさんとったり、利尿薬を飲んだりするだけでは、尿失禁は起こりません。しかし、すでにこの異常が起きたことがある人では、それによって尿失禁が悪化することがあります。
病院では、どのようなことをしますか?
医師は、症状について質問し、診察をします(あなたが女性なら、内診をします)。また、使っている薬について質問します。医師は、排尿の記録を1日か2日つけるように指示することがあります。
医師は次のような検査もすることがあります:
尿検査または血液検査
細い管で膀胱に水を入れて、排尿をしたいと感じるまでにどれだけ水を入れられるかはかる(膀胱容量の測定)
尿の出る速さと量をはかる特別な器の中に排尿をさせる(最大尿流率の測定)
膀胱にさまざまな量の水を入れたときの膀胱内圧をはかる(膀胱内圧の測定)
医師は成人の尿失禁をどのように治療しますか?
医師は尿失禁のくわしい原因を治療します。飲んでいる薬が尿失禁を引き起こしている場合、医師は別の薬に切りかえてみます。
どんな尿失禁の原因に対しても、次の方法が役立つことがあります:
寝る時間に水分をとらないようにし、カフェインをとらないようにする
決まった時間に排尿をするようにして、膀胱をトレーニングする
骨盤の筋肉を強化するためにケーゲル体操をする(尿を出して止めるのに使う筋肉を、強くしめたり、ゆるめたりする)
ほかにも次のような治療法があります:
薬
女性の場合、エストロゲンのクリーム
電気刺激
ときには手術、カテーテル、またはその他の器具