腸閉塞ちょうへいそく

あなたの体からだの中なかには、小腸しょうちょうと大腸だいちょうがあります。小腸しょうちょうは、胃いと大腸だいちょうをつないでいる、くねくねと曲まがっている長ながい管くだです。大腸だいちょうは小腸しょうちょうより短みじかいですが、より太ふとく、小腸しょうちょうの終おわりの部分ぶぶんから始はじまって、直腸ちょくちょうまで続つづいています。腸ちょうは胃いから送おくられてくる食たべものと水分すいぶんを受うけ取とります。そして、そのほとんどを消化しょうかして吸収きゅうしゅうします。残のこされたものは、直腸ちょくちょうから肛門こうもんを通とおって、便べんとして出でていきます。

小腸しょうちょうと大腸だいちょうはつまることがあります。

• 大人おとなで腸ちょうがつまる最もっとも多おおい原因げんいんは、手術しゅじゅつでできた傷きずあと、ヘルニア、そして腫瘍しゅよう【訳注やくちゅう：細胞さいぼうが異常いじょうに増ふえてかたまりになったもので、悪性あくせいの腫瘍しゅようはがんともいう】です。

• 腸ちょうのつまった部分ぶぶんは、食たべものや水分すいぶんが通過つうかできなくなります。

• あなたの腸ちょうは、食たべものや水分すいぶん、ガスなどがたまって、ふくらみます。

• おなかが激はげしく痛いたみ、吐はき気けを感かんじ、嘔吐おうとすることもあります。

• 医師いしはX線検査せんけんさでつまりを見みつけます。

• つまりを解消かいしょうするための手術しゅじゅつが必要ひつようになることもあります。

• 治療ちりょうしないと、腸ちょうが破やぶれて、あなたのおなかの中なかで腫はれや感染かんせんが起おきる可能性かのうせいがあります。

• つまった腸ちょうが破裂はれつして（穿孔せんこう）おなかの中なかで感染かんせんが起おきると、非常ひじょうに具合ぐあいが悪わるくなって、死しんでしまう可能性かのうせいもあります。

消化器系しょうかきけい

赤あかちゃんの場合ばあい、次つぎの原因げんいんによって腸ちょうがつまります：

• 生うまれたときからある特別とくべつな異常いじょう

• 胎便たいべん（生うまれる前まえの赤あかちゃんの腸ちょうでつくられる濃こい緑色みどりいろの便べん）

• 腸ちょうのねじれ

• 腸ちょうに狭せまくなっている場所ばしょや欠かけている部分ぶぶんがある

• 腸ちょうの一部いちぶが腸ちょうの管くだの中なかにすべり込こむ病気びょうき（腸重積ちょうじゅうせきといいます）

• 赤あかちゃんが飲のみ込こんだ物もの

大人おとなの場合ばあい、次つぎの原因げんいんによって腸ちょうがつまります：

• 過去かこに受うけたおなかの手術しゅじゅつでできた傷きずあと

• ヘルニア

• がん

• かたくなった便べんのかたまり

腸ちょうがつまると、ふつうは次つぎの症状しょうじょうがみられます：

• おなかの激はげしい痛いたみ

• おなかがふくれる

• おなかが減へらない

• 嘔吐おうと

• 便べんやおならが出でない

ときに、腸ちょうのつまった部分ぶぶんに血液けつえきが流ながれなくなることもあります。そうなると、腸ちょうの一部いちぶが死しんでしまい、次つぎのような症状しょうじょうがみられます：

• 長ながい時間じかん続つづくひどい痛いたみ

• 感染かんせんによる発熱はつねつ

• 血圧けつあつが下さがり、臓器ぞうきが働はたらかなくなる（敗血症はいけつしょう）

医師いしが腸ちょうのつまりを疑うたがった場合ばあい、ふつうは次つぎの検査けんさをします：

• X線検査せんけんさやCT検査けんさ

医師いしは、あなたを入院にゅういんさせて、さらに：

• あなたが食たべたり飲のんだりすることを禁止きんしします。

• あなたの鼻はなからチューブ（経鼻胃管けいびいかん）を入いれて、それを腸ちょうまで通とおし、つまっている部分ぶぶんより奥おくにあるものをすべて吸すい出だします。

• 静脈じょうみゃくに水分すいぶんを直接ちょくせつ入いれます。

ときには、その吸すい出だすためのチューブによって、つまりがもとに戻もどることもあります。これで治なおらなければ、つまった部分ぶぶんを治なおすための手術しゅじゅつを受うける必要ひつようがあるかもしれません。