脊椎や脊髄とは何ですか？
脊椎とは背骨のことです。背骨は実際には、椎骨という24個の骨と尾骨（仙骨）が長くつながったものです。椎骨は頭蓋骨の下の首のところから始まって、骨盤まで下の方に続いています。椎骨は体重の大部分を支えています。
それぞれの椎骨には穴が開いています。それらの穴が並んで、脊椎全体にわたる脊柱管というトンネルをつくっています。脊髄は脊柱管の中にあります。
脊髄は、脳と体のほかの部位の間でやり取りされるメッセージの通り道になる、電気ケーブルのような神経の束です。脊髄はとても傷つきやすく、脊柱管の中で守られているのはこのためです。
脳から出る信号は、腕や脚を動かすなど、体に何かをするよう命令するための信号です。
脳に送られる信号は、その人が何にさわっているかや、どこに痛みがあるかなど、体からの情報を伝えるための信号です。
脊椎と脊髄の損傷のほとんどは、自動車事故、転倒、スポーツなどによって起こります。
背骨のあたりにけがをすると、骨や神経、脊髄に影響を及ぼす可能性があります。
脊椎を損傷すると、痛みが生じます。
脊髄を損傷すると、力が入らなくなったり、麻痺したり、感覚が低下したり、性交や排尿、排便に問題が起こったりする可能性があります。
脊椎や脊髄を損傷すると、手術や理学療法が必要になる場合があります。
脊椎や脊髄に損傷を受けたと思ったら、すぐに病院に行ってください。
脊椎の成り立ち
脊椎（脊柱）は、椎骨と呼ばれる複数の骨が連なってできています。長くて傷つきやすい脊髄は、脊椎の中心を通る脊柱管という空間の中にあって、周りの椎骨によって守られています。椎骨と椎骨には、椎間板という軟骨でできた板があり、それが脊椎のクッションとして働き、脊椎がいくらか曲がるようにしています。 脊髄神経：脊髄からは、椎骨と椎骨の間を通って、31対の脊髄神経が出ています。それぞれの脊髄神経は、根元のところで2本の短い枝（神経根）に分かれています。 運動神経根は、脳と脊髄からの命令を体のほかの部分、特に骨格筋に伝えます。 感覚神経根は、体のほかの部分からの情報を脳に伝えます。 馬尾：脊髄は脊椎の上から4分の3の高さで終わっていますが、そこから下に向けて神経の束が1本のびています。この神経の束は、馬のしっぽに似た形をしているため、馬尾と呼ばれています。馬尾は、脚に行き来する神経の信号の通り道になっています。 |
脊椎や脊髄の損傷の原因は何ですか？
脊椎の損傷と脊髄の損傷は、次のもので引き起こされます：
自動車事故
転倒
スポーツ事故
暴力（銃でうたれるなど）
脊椎や脊髄の損傷にはどのような症状がありますか？
脊椎や脊髄の損傷の症状は、損傷の場所と損傷の程度によって異なります。症状には次のものがあります：
首や背中の痛み
力が入らなくなったり麻痺したりする（体の一部を動かせなくなる）
感覚なくなる（しびれ）
排尿や排便のコントロールが難しくなる
影響を受ける体の部位は、脊髄が損傷を受けた位置によって異なります。たとえば、腰の位置で脊髄が傷つくと、脚が動かせなくなったり、脚の感覚がなくなったりすることがありますが、その場合、腕はふつうに使えます。しかし、首の位置で脊髄が傷つくと、腕と脚の両方に異常が起きることがあります。首の高い位置で脊髄が傷つくと、呼吸ができなくなることがあります。
力が入らなくなったり、しびれが出たりする症状は、短い期間で治まることもあれば、ずっと続くこともあります。
医師はどのようにして、私の脊椎や脊髄に損傷があるかどうかを判断しますか？
医師はあなたの症状について質問し、診察をします。次のような検査をします：
X線検査
CT検査
MRI検査
