アセトアミノフェンは、熱を下げたり痛みをやわらげたりするために使う、お店で買える薬です。これは、タイレノール®など、たくさんの製品名で売られています。また、たくさんのせき止めやかぜ薬にも入っています。
アセトアミノフェンは、ふつうは安全ですが、多すぎると害になります。
アセトアミノフェン中毒とは何ですか?
アセトアミノフェン中毒は、アセトアミノフェンをたくさん飲み過ぎた結果起こります。
アセトアミノフェン中毒は、アセトアミノフェンの入っている薬や製品をいくつかまちがって飲んだ場合や、わざと飲みすぎた場合など、短い間にたくさん飲み過ぎると起こります。
アセトアミノフェン中毒は、ひどい慢性の痛みがあるために長い間にわたってたくさん飲み続けた場合に、ゆっくりと起こることもあります。
正しい量のアセトアミノフェンを飲んでいても、肝臓に損傷がある場合など、場合によっては危険なことがあります。
アセトアミノフェン中毒は、肝臓に深刻な損傷を与え、肝不全を引き起こすことがあります。
アセトアミノフェン中毒は、肝臓が損傷するまで症状を引き起こさないこともあります。
せき止めやかぜ薬のラベルはよく読んでください。
痛み止めの薬のラベルはよく読み、すすめられている量を超えて使わないでください。
もしあなたがかぜの子どもやせきのある子どもの世話をしているなら、子どもにアセトアミノフェンを飲ませすぎないようによく気をつけてください。いろいろな剤形(液剤、錠剤、チュアブル錠)のいろいろな種類の薬に、成分の一つとしてアセトアミノフェンが入っています。子どもがすでにアセトアミノフェン入りの薬を飲んでいる場合は、アセトアミノフェン入りの別の薬を使わないでください。
自分やほかのだれかがアセトアミノフェン中毒かもしれないと思ったら、すぐに電話で救急車を呼ぶ(日本では119番、アメリカのほとんどの地域では911番)か、中毒情報センターに電話してアドバイスをもらってください(アメリカでは1-800-222-1222【訳注:日本では(公財)日本中毒情報センターが電話による無料情報サービスを提供しています。大阪072-727-2499、つくば029-852-9999、https://www.j-poison-ic.jp】)。世界保健機関(WHO)は、世界のセンターの連絡先を提供しています。
アセトアミノフェン中毒にはどのような症状がありますか?
たいていの場合、すぐには症状が現れません。
飲みすぎた量がとても多ければ、症状は次のように段階的に現れます:
まず、吐いたり、吐かないまでも気分が悪くなることがあります。
1~3日後に、吐き気、嘔吐、おなかの痛みが起こることがあります。
3~4日後に、嘔吐が増え、皮膚や目が黄色くなり(黄疸)、皮膚の下や鼻や歯ぐきから出血することがあります。
およそ5日後に、回復するか、または臓器が働かなくなります(この場合は死んでしまうことがあります)。
時間をかけて少量ずつ飲んだことで中毒を起こした場合、最初に次のような肝不全の症状が現れることがあります:
皮膚や目が黄色くなる(黄疸)
出血
医師はどのようにして、私がアセトアミノフェン中毒かどうかを判断しますか?
医師は血液検査でアセトアミノフェン中毒かどうかを調べます。また、あなたの肝臓がどれくらい働いているかを調べる検査をすることもあります。
医師はアセトアミノフェン中毒をどのように治療しますか?
医師は次のことをします:
アセトアミノフェンを飲んだのが数時間以内なら、活性炭を与えてアセトアミノフェンが血液の中に入らないようにする
肝臓を守るために、解毒剤(アセトアミノフェンに対抗する薬)を与える
肝臓が傷ついている場合は、肝不全の治療や、さらには肝臓移植が必要になることもあります。
アセトアミノフェン中毒はどうすれば予防できますか?
推奨されていう量だけを飲むようにしてください。
薬のラベルをよく読んでください。
すでにアセトアミノフェンを使った場合は、アセトアミノフェンの入っている薬を使わないでください。
肝臓に異常があるか、お酒を飲む場合は、痛みや発熱に対してどのような薬を使えばいいか医師に聞いてください。