ライム病びょう

ライム病びょうは、感染かんせんしたマダニというダニにかまれることで起おこる病気びょうきです。アメリカのコネチカット州しゅうにあるライムという町まちで最初さいしょに発見はっけんされたことから、ライム病びょうと呼よばれています。

シカダニと呼よばれるマダニの一種いっしゅがライム病びょうの感染かんせんを広ひろげています。シカダニは、感染かんせんしたネズミから血ちを吸すうときに、ライム病びょうの細菌さいきんに感染かんせんします。（この種類しゅるいのマダニは、シカからも血ちを吸すうことから、シカダニと呼よばれています。）

• 森もりの中なかに住すんでいたり、森もりに行いったりすると、ライム病びょうにかかる可能性かのうせいが高たかくなります。

• ふつうは、マダニにかまれた部分ぶぶんに大おおきな赤あかい点てんができます。

• その点てんがゆっくり大おおきくなっていき、その周まわりに弓矢ゆみやの的まとのような赤あかい輪わができます。

• ライム病びょうでは、発熱はつねつ、筋肉痛きんにくつう、関節かんせつの腫はれも起おこることがあります。

• もし治療ちりょうを受うけないと、脳のう、神経しんけい、関節かんせつに、長ながく続つづく問題もんだいが起おこることがあります。

• 医師いしは抗菌薬こうきんやくでライム病びょうを治療ちりょうします。

ライム病びょうボレリアという細菌さいきんがライム病びょうを引ひき起おこします。もしシカダニにかまれても、すぐにライム病びょうになることはありません。感染かんせんが起おきるには、シカダニが少すくなくとも1日にち半はんくらい、あなたの体からだに付ついている必要ひつようがあります。

シカダニは、ペットのイヌに付ついていることがあるマダニと比くらべて、はるかに小ちいさいです。

シカダニ

ライム病びょうの症状しょうじょうは、あなたがこの病気びょうきのどの段階だんかいにいるかによって変かわります。

はじめのころに出でる症状しょうじょうとしては、次つぎのものがあります：

• ふつうは、マダニにかまれた部分ぶぶんに盛もり上あがった大おおきな赤あかい点てんができます。

• 赤あかい点てんが大おおきくなり、真まん中なかの部分ぶぶんは赤あかくなくなり、その周まわりに赤あかい輪わができます（同心円どうしんえん状じょうの発疹ほっしん）。

• かゆみや痛いたみはありませんが、その部分ぶぶんが熱あつくなることがあります。

• この点てんはふつう、3～4週間しゅうかんくらいでなくなります。

ライム病びょうになっても、このような点てんや発疹ほっしんが出でてこない人ひともいます。

その後ご、細菌さいきんが体からだの中なかで広ひろがり始はじめ、次つぎのような症状しょうじょうが現あらわれることがあります：

• 何なん週間しゅうかんも続つづく疲つかれ

• 発熱はつねつ、寒気さむけ、頭痛ずつう

• 首くびが固かたくなる、筋肉痛きんにくつう

• 関節かんせつの痛いたみと腫はれ

• ときには、小ちいさな赤あかい斑点はんてんがさらに出でる

• 頭痛ずつうがして、首くびが固かたくなる（髄膜炎ずいまくえん）

• 顔かおの片側かたがわの筋肉きんにくに力ちからが入はいらない（ベル麻痺まひ）

治療ちりょうを受うけないと、後あとから別べつの症状しょうじょうが現あらわれてきます。感染かんせんから数すうカ月げつまたは数年すうねんがたつと、次つぎのような症状しょうじょうが現あらわれることがあります：

• 関節かんせつ（特とくに膝ひざ）に腫はれ、痛いたみ、こわばりが起おきる関節かんせつ炎えん

• ときには、背中せなか、脚あし、腕うでにしびれやビーンと走はしるような痛いたみ

• ときには、気分きぶん、発話はつわ、記憶きおく、睡眠すいみんの問題もんだい

ライム病びょう（同心円どうしんえん

画像

CDC/SCIENCE PHOTO LIBRARY

医師いしは次つぎのことからライム病びょうと診断しんだんします：

• あなたの症状しょうじょう

• あなたがライム病びょうの流行りゅうこうしている地域ちいきに住すんでいるか、そのような地域ちいきに旅行りょこうしたかどうか

• 血液検査けつえきけんさ

血液検査けつえきけんさでは、最初さいしょに具合ぐあいが悪わるくなったときにライム病びょうと判定はんていされないことがよくあります。多おおくの場合ばあい、医師いしは数週間後すうしゅうかんごに検査けんさをくり返かえす必要ひつようがあります。

医師いしは、さらに問題もんだいが起おきるのを防ふせぐために、できるだけ早はやくライム病びょうを治療ちりょうしようとします。医師いしは次つぎのものを使つかいます：

• 抗菌薬こうきんやく

• 関節かんせつの痛いたみがある場合ばあいは、イブプロフェンやアスピリンなどの、お店みせで買かえる薬くすり

マダニにかまれないようすることで、ライム病びょうを予防よぼうすることができます：

• 森もりの中なかを歩あるくときは、道みちの上うえを歩あるき、しげみや草くさむらにふれないようにする

• 地面じめんや石いしの上うえに座すわらないようにする

• うすい色いろの長ながそでのシャツと長ながズボンを着きて、ズボンのすそをくつやくつ下したの中なかに入いれる

• 皮膚ひふや服ふくに虫むしよけスプレーをかける

• 森もりの中なかに入はいった後あとは、よく注意ちゅういして全身ぜんしん（特とくに毛けがある部分ぶぶん）をチェックする

• 体からだにマダニが付ついているのを見みつけたら、すぐに取とり除のぞく

もしシカダニにかまれたら：

• ピンセットで、シカダニの体からだではなく（体からだを押おしつぶさないように）頭あたまや口くちをつかんで、まっすぐ引ひきぬきましょう。

• ワセリン、アルコール、マッチなどを使つかってマダニを取とり除のぞこうとしてはいけません。

• 医師いしは、すぐにあなたに抗菌薬こうきんやくを出だしたり、ライム病びょうの症状しょうじょうが現あらわれないか確たしかめるために、かまれた部分ぶぶんをよく見みたりすることがあります。