尖圭せんけいコンジローマ

ヒトパピローマウイルス（HPV）は、いぼの原因げんいんになるウイルスです。HPVにはたくさんの種類しゅるいがあります。

• 一部いちぶの種類しゅるいのHPVでは、皮膚ひふにいぼができます。

• ほかには、性器せいきにいぼ（尖圭せんけいコンジローマ）ができる種類しゅるいのHPVもあります。

尖圭せんけいコンジローマを引ひき起おこすHPVの中なかには、がんも引ひき起おこすものがあります。

HPVから起おこるがんは、感染かんせんした体からだの部位ぶいに発生はっせいします。つまり、子宮頸部しきゅうけいぶ（腟ちつに向むかって開ひらいている子宮しきゅうの下したの部分ぶぶん）に感染かんせんが起おきた場合ばあいは、子宮頸しきゅうけいがんになることがあります。のどに感染かんせんが起おきた場合ばあい、のどのがんになることがあります。

HPVは、人ひとから人ひとに接触せっしょくを通とおして伝つたわります。口くちを使つかった性行為せいこういを含ふくむ、感染かんせんした人ひととの性的せいてきな接触せっしょくで、尖圭せんけいコンジローマを引ひき起おこす種類しゅるいのHPVに感染かんせんします。

HPV感染症かんせんしょうは知しらないうちにかかっていることがあるため、性行為せいこういの相手あいてが感染かんせんしているかどうか分わからないこともあります。以下いかのことが理由りゆうで、HPV感染症かんせんしょうにかかっていることがわからない場合ばあいがあります：

• 感染症かんせんしょうでいぼが生しょうじなかった

• いぼに気きづかなかった（いぼがとても小ちいさかったか、腟ちつや直腸ちょくちょうの中なかにあったため）

尖圭せんけいコンジローマは、性器せいきの中なかやその周まわりにできる小ちいさな腫はれものの一種いっしゅです。

• 尖圭せんけいコンジローマはよくみられるもので、女おんなの人ひとの10人にんに8人にんは50才さいまでに少すくなくとも1回かいは感染かんせんします。

• いぼは、またの間あいだ、肛門こうもんの周まわり、陰茎いんけい（男性だんせい）、腟ちつの中なか（女性じょせい）にできることがあります。

• 感染かんせんしてもほとんどは、1～2年ねんで治なおります。

• 感染かんせんが治なおらない場合ばあいは、がんになる可能性かのうせいが高たかくなります。

• がんになるタイプの尖圭せんけいコンジローマの大半たいはんを予防よぼうできるワクチンがあります。

• またの間あいだ、肛門こうもんの周まわり、陰茎いんけい（男おとこの人ひと）、腟ちつの中なか（女おんなの人ひと）に、小ちいさなやわらかくてしめった、ピンク色いろまたは灰色はいいろの腫はれものができる。

• ときには、腫はれものが大おおきくなって、まるで小ちいさなカリフラワーのようにザラザラし、デコボコになります。

• ときには、いぼがヒリヒリしたり、かゆくなったりします。

• 医師いしはふつう、いぼの見みた目めで尖圭せんけいコンジローマかどうかを見分みわけます。

• いぼが典型的てんけいてきな尖圭せんけいコンジローマのように見みえない場合ばあいは、医師いしはがんや梅毒ばいどくの検査けんさをすることがあります。

がんの検査けんさをするために、医師いしはいぼを取とり除のぞいて検査室けんさしつに送おくることがあります。いぼが子宮頸部しきゅうけいぶにできた場合ばあいは、医師いしは子宮頸部細胞診しきゅうけいぶさいぼうしんをすることもあります。子宮頸部細胞診しきゅうけいぶさいぼうしんでは、医師いしは内診ないしんをするときに子宮頸部しきゅうけいぶから細胞さいぼうのサンプルをとって、それを顕微鏡けんびきょうで調しらべます。

梅毒ばいどくの検査けんさするために、医師いしは血液検査けつえきけんさをします。

医師いしは次つぎのことをする場合ばあいがあります：

• レーザーを使つかったり、薬くすりでいぼを凍こおらせたり、手術しゅじゅつをしたりして、体からだの外側そとがわにある尖圭せんけいコンジローマを取とり除のぞきます。

• 体からだの外側そとがわにある尖圭せんけいコンジローマにぬるための軟膏なんこうを、あなたに出だします。

• 体からだの内側うちがわにある尖圭せんけいコンジローマに対たいしては、手術しゅじゅつをするか、薬くすりを注射ちゅうしゃします。

治療ちりょうは痛いたかったり、傷きずあとが残のこったりすることがあります。あなたが健康けんこうなら、医師いしは尖圭せんけいコンジローマが自然しぜんに治なおるのを待まつことがあります。

ワクチン（注射ちゅうしゃ）でHPVは予防よぼうできます。

• 女おんなの子こと男おとこの子こには、11～12才さいのときか、口くちを使つかった性行為せいこういをふくむすべての類たぐいの性行為せいこういをし始はじめる前まえに、ワクチンを接種せっしゅするべきです。

コンドームは役やくに立たちますが、コンドームでおおわれていない部分ぶぶんの皮膚ひふにHPVが感染かんせんすることがあるため、この方法ほうほうで尖圭せんけいコンジローマを完全かんぜんに予防よぼうすることはできません。