デング熱とはどのような病気ですか?
デング熱は、蚊によって広がるウイルス感染症です。この病気がより深刻になったものをデング出血熱といい、この病気では出血が起きて、命にかかわることがあります。
デング熱は、東南アジア、中米、南米、カリブ海諸国など、熱帯地域や亜熱帯地域でよくみられます。
感染した蚊に刺されると、デング熱にかかる可能性があります。
症状には、発熱、頭痛、体の痛みなどがあります。
デング熱は何度もかかることがあります。
デング熱が流行している地域に旅行する場合は、蚊に刺されるのを予防するための対策をする必要があります。
デング熱の原因は何ですか?
デング熱は、デングウイルスによって引き起こされます。このウイルスは、世界のほとんどの熱帯や亜熱帯の地域でみられます。最もよくみられるのは東南アジアとカリブ海諸国です。しかし、アメリカ南部とハワイでも少数の人がデング熱にかかっています。
蚊は感染した人を刺したときに、ウイルスに感染し、それから別の人を刺したときに、ウイルスをうつします。
デングにはどのような症状がありますか?
2~3日くらい、力が入らず疲れた感じがして、次の症状が現れます:
高熱と寒気
ひどい頭痛
目を動かすと痛い
背中、脚、関節のうずくような激しい痛み:とても痛いことから、デング熱には「骨折熱」という別名もあります。
顔の発疹
これらの症状が現れた後、1日ほど具合がよくなって、それからまた熱が出て、今度は胸、背中、腕、顔に発疹が出ることがあります。
もっと重い場合は、力が入らない感じが何週間か続くことがありますが、デング熱で死んでしまうことは、めったにありません。
デング出血熱とはどのような病気ですか?
デング出血熱は、とても重いタイプのデング熱です。デング熱が流行している地域で、おもに10才未満の子どもがかかります。
デング出血熱にかかると、デング熱の症状に加えて、次の症状もみられます:
鼻、口、直腸、刺された傷から出血する
おなかの痛み
血を吐く
便や尿に血が混じる
皮膚の下への出血によって皮膚の表面に紫色の斑点が現れる
血圧がとても低くなる(ショック)
デング出血熱の症状がある場合は、すぐに病院に行ってください。
医師はどのようにして、私がデング熱かどうかを判断しますか?
医師は、あなたの症状と、この感染症を広げる蚊がいる地域にいたかどうかという情報から、デング熱を疑います。確かめるために、医師は血液検査をします。
医師はデング熱をどのように治療しますか?
デングウイルスを殺せる薬はありません。医師は次のことをします:
痛みを軽くして、熱を下げるために、アセトアミノフェンなどの薬を飲ませる
静脈から水分を補給する(輸液)、特にデング出血熱の場合
アスピリンやイブプロフェンは、出血を引き起こしたり悪化さたりすることがあるので、服用してはいけません。
医師は、具合が悪い間は、あなたに蚊帳の中に入ってもらうようにして、蚊がこの感染症をあなたからほかの人に広げないようにします。
デング熱はどうすれば予防できますか?
デング熱の流行している地域に住んでいるか、そのような地域に行っている場合は、次の対策をして、蚊に刺されるのを予防してください:
DEETという薬が入っている虫よけを皮膚にスプレーする
蚊帳を使う
長そでのシャツと長ズボンを着る
窓に網戸を取り付けて、穴があれば修理する
蚊が増える水たまりを、家の中や周りからなくす
米国では、次のような子どもにデング熱ワクチンの使用が認められています:
9~16歳である
過去にデング熱にかかったことがある
デング熱が流行している(頻繁または継続的に発生)地域に住んでいる
米国では、一部の領土や米国自治連邦区(プエルトリコなど)が流行地域に含まれます。このワクチンは、デング熱がよくみられる地域を訪れているけれどもそこに住んでいるわけではない旅行者への接種は認められていません。このワクチンはメキシコ、ブラジル、タイなどの国でも利用できます。