サルコイドーシスとはどのような病気ですか?
サルコイドーシスとは、体の1つ以上の臓器に炎症細胞の小さなかたまりができる病気です。この細胞のかたまりは肉芽腫と呼ばれます。これは悪性ではありません。サルコイドーシスになると、全身に炎症が起こります。
医師にも原因が分かっていません。
肉芽腫は肺やリンパ節にできることが最も多いですが、あらゆる臓器にできる可能性があります。
肉芽腫が肺にできると、せきが出たり、息切れを感じることがあります。
全身に炎症が起こると、熱が出たり、体重が減ったり、関節が痛くなったりします。
あなたがサルコイドーシスにかかっているかどうかを判断するために、医師は胸部のX線検査を行い、あなたの組織から採取したサンプルを顕微鏡で調べます(生検)。
治療法はありませんが、多くの場合、サルコイドーシスは自然に治ります。
医師は症状を軽くする薬をあなたに与えることがあります。
サルコイドーシスにはどのような症状がありますか?
多くの場合、サルコイドーシスの症状はまったくないか、あっても軽い症状があるだけです。しかし、少数の人では症状がとても重くなります。
現れる症状は、体のどこに影響が起きているかによって変わります。
サルコイドーシスの全身症状には次のものがあります。
熱が出る
体に力が入らず、疲れを感じる
食欲がなく、体重が減る
関節が腫れて痛む
リンパ節が腫れる(リンパ節は、首、鼠径部、わきの下などにある、小さな豆の形をした器官です)
最もよくみられるのは次のような肺の症状です。
呼吸が苦しくなる
せきが出る(せきと一緒に血が出てくる場合もあります)
次のような皮膚の症状もよくみられます。
すねに赤いふくらみができて痛む(結節性紅斑)
鼻、頬、唇、耳に、斑ができる(この斑は、平たいことも盛り上がっていることもあります)
次のような眼の症状もみられます。
目が赤くなって痛み、涙目になる
視力が低下し、まれに失明する
心臓の症状はまれにしかみられませんが、危険なことがあります。たとえば次のようなものがあります。
ほかにも、体のたくさんの部分が影響を受ける可能性があります。
医師はどのようにして、私がサルコイドーシスかどうかを判断しますか?
医師はサルコイドーシスをどのように治療しますか?
医師は、サルコイドーシスが症状を引き起こしていない限り、治療は行いません。
症状を軽くするために、医師は以下の薬を飲むようあなたに指示します。
アスピリンやイブプロフェンなどのNSAID(非ステロイド系抗炎症薬)(痛みや発熱を軽くする)
プレドニゾン(日本ではプレドニゾロン)などのコルチコステロイド薬(炎症を治療するため)
コルチコステロイド薬が助けにならない場合、医師はより強い薬を使って、あなたの免疫系が働かないようにします。
心臓にサルコイドーシスがある場合は、医師はペースメーカー(異常な心拍リズムを制御するための小さな電気機器)をあなたの胸に埋め込むことがあります。
まれに、サルコイドーシスによって肺、心臓、または肝臓がひどく傷ついた場合、あなたは臓器移植が必要になるかもしれません。