COVID-19とは何ですか?
COVID-19(コビッド・ナインティーン)とは、新型コロナウイルス感染症のことで、肺と気道に感染して重い症状を引き起こすことがあるウイルス感染症です。
コロナウイルスの一種によって引き起こされます。
このウイルスは、とても簡単にほかの人に広がります。
感染した人の中には、症状が現れない人もいますが、とても具合が悪くなる人や、死んでしまう人もいます。
鼻の中やのどの表面から綿棒でぬぐい取ったサンプルを検査して、COVID-19を診断します。
COVID-19を治せる薬はありませんが、重症化した場合や重症化する危険性のある人に役立つ可能性がある薬もあります。
COVID-19を予防する最善の方法は、ワクチンを接種することです。
COVID-19の原因は何ですか?
COVID-19にはどのような症状がありますか?
COVID-19に感染した人の多くでは、ほとんど症状がみられません。
症状が出る場合は、次の症状がみられる可能性が高いです。
発熱
空せき
呼吸が苦しい
体に力が入らず、疲れを感じる
次の症状が現れることもあります。
鼻水
のどの痛み
においや味の感覚がなくなる
頭痛
吐き気、嘔吐、下痢など、おなかの問題
感染がひどくなると、肺にまで達して、ウイルス性肺炎を引き起こします。そうなると、ひどい息切れがみられます。感染がひどくなると、脳や心臓、腎臓など、たくさんの臓器にも影響がおよぶことがあります。
COVID-19は命にかかわりますか?
COVID-19は死に至る可能性があります。年齢が高い人ほど、死亡の危険性が高くなります。これまでに死亡した人の多くは50才以上です。80才以上の人は危険性がとても高いです。しかし、子どもや若い大人でも死亡する可能性があります。
心臓の病気、肥満、糖尿病など、ほかに医学的な問題をかかえている場合にも、危険性が高くなります。
私がCOVID-19に感染しているかどうかは、どうすればわかりますか?
次のことに当てはまる場合、あなたはCOVID-19の検査を受ける必要があります。
COVID-19の症状がある(検査の結果を待つあいだは隔離が必要です)
COVID-19に感染している人に接触した(濃厚接触者の場合)―最後に接触した日から約5日後に検査を受ける
職場、学校、または住んでいる地域のスクリーニング検査を受けるように指示された(特に予防接種を完了していない場合)
医師やその他の医療従事者がよく行う検査は、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)検査というもので、次のようなものを使います。
鼻の中やのどの表面から綿棒でぬぐい取ったサンプル
このサンプルを検査室に送って、ウイルスがいるかどうかや、ほかの感染症を示す証拠がないか調べます。検査の結果が出るまでに数日かかります。
抗原検査は、PCR検査とはちがう種類の検査です。抗原検査は自宅や医療施設で行うことができ、鼻の中から綿棒でぬぐい取ったサンプルを使います。総じて、PCR検査より結果は不正確です。しかし、抗原検査ではすぐに結果が出ます(15分以内)。
血液検査では、ウイルスから体を守るために体でつくられる抗体がないか調べることができます。そうした抗体ができるまでには数週間かかるため、最初にこの病気にかかったばかりの時点では、この検査は役に立ちません。しかし、自分が感染したことがあるかどうかを知るには役立ちます。
COVID-19はどのように治療されますか?
軽症または中等症の場合は、次のことをします。
外出せずに家にいて、ほかの人に近づかない(隔離)
ウイルスを広げないように、マスクをつける
発熱と痛みを軽くするためにアセトアミノフェンやイブプロフェンを飲む
呼吸に問題が起きた重症の場合は、病院に行く必要があります。医師は次のことをします。
酸素を与える
ときに、薬を出す
ときに、人工呼吸器(呼吸を助けるための機械)をつける
長ければ数週間にわたって、人工呼吸器をつける必要があるかもしれません。
腎臓に問題が起きた場合は、透析が必要になることがあります。
COVID-19はどうすれば予防できますか?
COVID-19を予防する最善の方法は、ワクチン接種(予防接種)を受けることです。米国疾病予防管理センター(CDC)は、COVID-19の重症化を予防するため、生後6カ月以上の人に対して、2023~2024年用のCOVID-19ワクチンの接種を受けるよう推奨しています(CDC:COVID-19のワクチン[CDC: Vaccines for COVID-19])。
ワクチンは安全で効果的です。
COVID-19ワクチンからはCOVID-19には感染しません。
ワクチンの効果は時間とともに弱まることがあるため、推奨されるスケジュールにしたがってワクチン接種を受け続けることが大切です。
COVID-19ワクチンでは、軽度の副作用(腕の痛み、体の痛み、頭痛、発熱)が1~2日のあいだ、起こることがあります。
COVID-19に感染したことがあっても、COVID-19ワクチンを接種すべきです。
ワクチン接種に加えて、ウイルスにさらされないようにする必要があります。ただ、これは難しい可能性があります。ウイルスを広げる可能性がある人に症状がまったくみられない場合もあるため、誰が感染していて、誰が感染していないかを見分けることはできません。CDCは、CDC呼吸器系ウイルスガイダンス(Respiratory Virus Guidance)の中で、このウイルスに感染しないようにするための追加の対策を推奨しています。
次のようなときは、口と鼻の両方をおおうことができる、顔の形に合ったマスクをつけてください:
あなたやあなたの周りの人が重症化の危険因子をもっている。
あなたやあなたの周りの人が最近、呼吸器系ウイルスにさらされたか、病気になっていたか、いま病気から回復している。
あなたの家がある地域で、呼吸器系ウイルスによる病気がたくさん発生している。
公共交通機関(飛行機、バス、電車など)を利用するときと、公共交通機関の拠点(空港、駅など)の建物の中にいるときには、マスクの使用を考えてください。
受けるべきワクチン接種をすべて受け、マスクをつけることに加えて、次のことを行ってください:
あなたにCOVID-19の症状があるなら、検査を受ける
あなたがCOVID-19で重症化する危険性が高いなら、人ごみの中や、外から新鮮な空気が入ってこない建物の中には行かないようにする
受けるべきワクチン接種をすべて受けていないなら、特にあなたがCOVID-19に感染すると重症化する危険性が高いなら、ほかの人との間で十分なソーシャルディスタンスを保つようにする
できるなら、COVID-19で具合が悪い人とは十分なソーシャルディスタンスを保つようにする
こまめに、石けんと水で、少なくとも20秒かけて手を洗う
アルコールが入った手の消毒液を使う
洗っていない手で目、鼻、口をさわらないようにする
具合が悪いときは外出しない
せきやくしゃみをするときは口をティッシュでおおい、そのティッシュはゴミ箱に捨てる
一般的な家庭用の消毒スプレーやウエットティッシュを使って、よく手を触れる物や表面をきれいにして消毒する
あなたの健康に気をつけて、症状がでていないかを確認する
隔離
この集団発生の局所的、地域的、世界的な拡大を抑制するために、濃厚接触者および感染者の隔離措置が推奨されています。
濃厚接触者の隔離は、感染力がある人と濃厚接触があった人を他の人たちから引き離して、感染を拡大しないようにすることを目的としています。現在、CDCはCOVID-19に曝露したものの感染はしていない人に対して、濃厚接触者としての隔離を推奨していません。(CDC:呼吸器系ウイルスガイダンス[CDC: Respiratory Virus Guidance]を読んでください。)
感染者の隔離では、COVID-19の感染が確認された人や感染が疑われる人を、COVID-19に感染していない人と引き離します。CDCは、呼吸器系ウイルスの症状があって、ほかの原因でうまく説明できない場合には、外出をしないようにし、家の中でもほかの人(同じ家に住んでいる病気でない人を含みます)から離れてすごすことを勧めています。そのような症状としては、発熱、悪寒、疲労感、せき、鼻水、頭痛などがあります。症状がよくなってからも5日間は、窓を開けて新鮮な空気を取り入れて換気をよくする、室内の空気をきれいにする、たびたび手を洗う、よく手を触れる表面をきれいにする、顔の形に合ったマスクをする、人と距離をおく、人の集まりに行くときはその前に検査を受けるといった対策を、ふだんより心がけるべきです。このことは、呼吸器系ウイルスが原因で重い病気になるリスクが高い人たちを守るために、特に重要です。(CDC:具合いが悪くなったときに呼吸器系ウイルスを広げないようにする方法[CDC: Preventing Spread of Respiratory Viruses When You’re Sick]も読んでください。)
さらなる情報
CDC:COVID-19に対するワクチン(CDC: Vaccines for COVID-19)
CDC:呼吸器系ウイルスガイダンス(CDC: Respiratory Virus Guidance)